4話:打ち合わせ
ーー時刻は11時前……
よし、広告掲載する物件の選別はオッケー、大方のレイアウトもイメージできたし、あとは体裁とか色合いとか配置方法とか細かいところがイマイチわからんから松本さんに相談してみるかな……
ーー会社の内線が鳴る……
「佐々木さん、広告会社の松本さんがお見えになってます」
「わかりました。今向かいます」
6階の打ち合わせスペースへ向かうと受付に松本さんが立っていた。
セミショートヘアでスーツを着ている姿は非常に大人っぽいというかお姉さんになってほしい……
「お世話様です。席を準備しておりますのでこちらへどうぞ」
光樹と松本さんは席に座る。
「お世話様です。さっそくですが、来月折込予定の広告のデザインの件ですが…… 大方のイメージはできてるんですが、体裁とか背景とか細かいところがイマイチイメージできなくてアドバイスをいただきたいんですが……」
光樹は入社後広告の手配を何件も行っているが、毎回同じだと反響が良くないため、毎回様々な試行錯誤を繰り返して反響増加のための広告を作成している……というのは建前だ、本音は物件だけかえて同じような広告を作成して楽をしたい……毎回試行錯誤を試してるのは、同じだと上司から怒られるからである。仕方がない。
そして松本さんはに話し始める。
「なるほど、広告はインパクトも必要ですが、手に取った時に、目に留まりやすい内容や色合いも重要です。例えばですが、今は4月ですので季節に合わせた色や背景を主体にし、土地情報より中古住宅や新築住宅といった新生活や住まいをイメージしやすい物件をメインにしてはいかがでしょうか」
うむ、ただ単純に目立つだけを重視するのなら赤や黄色などの主張が強い色を使えばいい、例えばスーパーの安売り広告であればそのほうがいいだろう。しかし、今回の広告は不動産広告であるためただ目立つだけでは安っぽく見えてしまう……
「はい、確かに良いご提案です。季節イメージしたほうがお客さんに対して訴えかけてる気がしますね。では、その内容をベースに配置するとこんな感じですかね」
光樹は表面上では考えてるように装ってるが、基本的に考えるのはめんどくさいので松本さんにおまかせする魂胆である……
「ありがとうございます。配置に関しては、そのような感じで良いですが、正直作成してみてわかる事もありますので一度弊社のデザイナーに作成させて悪ければ都度変更するのはいかがでしょうか」
さすが松本さん話が早い、こっちも安心して依頼できるな……
「大体広告の打ち合わせは以上になりますが他にご要望等はありますでしょうか?」
「いや、特にはありません。基本的に松本さんのご提案いただいた内容で進めさせていただければと思います。」
広告会社も大変だよなぁ…… こんな打ち合わせを何件もするんだから……
「わかりました。では、早々にデザイナーに依頼をかけますので一度作成が終わり次第メールで送らせていただきます
よし、ここまで話を進めればあとは待つだけだな…… 後は少々雑談をして打ち合わせ終了ってとこかな。
「はい、よろしくお願いします。全く話はかわりますが松本さんはよく飲みに行かれたりするんですか?」
松本さんはいつも通りのかわらない表情で答える。
「そうですね、お酒は嗜む程度には飲みますが……どちらかというと一人で静かにゆっくり飲みたいタイプです」
うむ、一人で飲むのが好きとは…… これは誘うなってことだな、何処の店に行ってるかだけ聞いてみるかな。
「そうなんですか、私もどちらかというと一人で静かにゆっくりタイプです、ちなみにオススメのお店ってあります?」
松本さんは特に表情もかえず。
「えぇ、そうですね……駅前のバルってお店とかいいですね食事もおいしいですし、お店の雰囲気が良いです」
ほう、あとでチェックしておくか。
「良さそうなお店ですね、私はあまり飲みに行ったりしないのでそういった情報があると助かります。職業柄外に色んな場所に行くので食事処は結構知ってるんですが、さすがに仕事中に飲みにいくのはマズいので飲み屋はあまり知らないんですよ」
光樹は食べ歩きが好きである。特にラーメンが好きだ。外回りをする際、行先の近くのラーメン屋を検索していから会社を出る。
「確かに営業さんはグルメな方が多い印象がありますね、私も広告のデザイン等で飲食店からの依頼もありますので勉強も兼ねて食べ歩きはよくします。さて、佐々木さんもお忙しいと思いますので今日はそろそろ失礼しますね。本日はお時間いただきありがとうございました」
松本さんは腕時計を見て言った。
「いえいえ、こちらこそありがとうござました。では、広告の作成よろしくお願いいたします」
松本さんは立ち上がり、軽く会釈をして事務所を去る
相変わらず隙が無いな……どっかのお店で会ってお近づきになりたい。
後日松本さんのおすすめのお店を検索してわかったが女性向けのお店だった、光樹のような男一人では入る雰囲気のお店ではない。
スーツ姿の大人のお姉さんすごく好きです。




