2話:査定依頼?
「家売りたいんだけど……」
「査定依頼ですね、ただいま参りますので少々お待ちくださいませ」
声の感じからすると若い女性だな、そうなると相続してか何かでの売却の可能性が高いな。
この仕事をするとある程度予想を立てる、不動産を売却するのにはもちろん理由があるが、その理由というのが重要なケースもある。例えばだが、隣人が嫌で売却するとか、過去に事件事故があったからなど、売却依頼を受けたはいいもののそういった物件を扱うとトラブルに巻き込まれるケースがあるためやんわりお断りをする。
光樹の会社の事務所は10階建ビルで、職員は7階、打ち合わせスペースは6階となっている。
光樹は7階から6階へ降りる……すると女性の姿がみえた。
「大変おまたせしっっっせっっせ・い・ふ・く?!」
そこには、制服を着た少女が立っていた。
見た目はギャル系で背は平均より少し小さいくらいか、将来間違えなければ美人になりそうだ。
「女子高生が家売っちゃいけない法律なんてあんの?この広告に無料で査定するって書いてあるから来たのにその態度ヒドくない?」
その女子高生の手元には光樹が定期的に手配している売却相談の広告があった。
なんだこの小生意気なJKは、明らかにめんどくさそうだから関わりたくねぇ……
「いや、そういうのは法律家じゃないのでわかりかねるが……そんなことじゃなくてご両親とかに相談とか……とりあえず立ち話だとあれなので座ってお伺いします。」
焦って所々言葉遣いが地に戻っちまったじゃねーかよ、本当は今すぐ断りたいが社畜である光樹は会社の評判もあるため無下に断ることはできない。今はSNSとかで悪評が出ると一気に拡散されるからな!うーん、サラリーマンはつらいぜ……
そして打ち合わせテーブルに座る。
「では、早速ですがご相談内容をお伺いしてもよろしいでしょうか」
光樹は当初は取り乱したが、いつも通りの営業スタイルにスイッチを入れる。お客さんの話し方や方言等はそれぞれに合わせて話すのが営業だ。JK相手には話しやすい言葉遣いで話すかな。
「今住んでる家を売りたいの、元々はお母さんが買ったやつなんだけど、先月お母さん死んじゃって、売りたくなかったからそのまま住んでたんだけどなんかいっぱい督促状?みたいなのはくるし、役所の人は来るしでどうしようかなって思ってた時、たまたまこの広告をみて相談しようかなって…」
今の話からすると俺の手では持て余す内容だな、そもそも不動産売る準備が出来ていない、遺産相続もこれから、督促状ってことはローンの残債若しくは借金等で自宅を競売にかけられる前ってとこかな、これ不動産屋じゃなくて弁護士とか司法書士とかの仕事じゃねーか?しかしまだ高校生なのに重い話だな。
「遺産相続とかしないといけないからお母さん以外の親族はいないのか?」
遺産相続になると親戚等がかかわってくる、仮に相続人がこの子だけだったとしても後見人として誰かしらがサポートするはずだが……
「お母さん元々駆け落ちだったらしいし、親戚付き合いなんか一切なかったし詳しいこと知らないけど……」
「そうか、今から少々難しい言葉を使って説明するが、まずは、遺産相続手続きをして、不動産の遺産相続登記をしてそこまでは司法書士の仕事だが、債務があるとなると任意売却かなぁ……まずは、法テラスつって無料弁護士相談できるからそっちに相談してみたらどうだ?
不動産は競売(差し押さえ)される前に任意売却という方法がある、競売の場合だと落札者が立ち退き等を行うためリスクが高い、結果一般の相場市場の売却金額が安くなるケースが多い、逆に、任意売却の場合は一般の市場に流すため通常の相場で売却できる可能性が高い。
「多分わからん用語が多いから思うが、弁護士に相談しろって事だ」
「とりあえずこの場では何にも解決できそうにないってこと?てか、あんためんどくさいからってぶん投げてない?」
このJKなかなか鋭いな。
「もし話がまとまるようであれば不動産売却に関しては依頼を受けるぞ?あと、いくらお客さんだからって年上に対してあんたはよくないぞせめてお兄さんかな、っと相談が先行して名乗ってなかったな、俺は佐々木光樹だ、不動産の売買をメインに仕事をしている」
「あたしの名前は吉田亜希、てか、お兄さんとかw……おじさんの間違いじゃない?w」
俺をおじさん呼ばわりとはこのJK許さんぞ…
「まぁ何にしても俺は不動産屋だからそれ以外に関しては専門外だ、餅は餅屋ってことわざがあるようにどうすればいいかっていうアドバイスくらいしかできないんだよ」
「はぁ……わかったあんたには頼らない他に行く」
亜希は立ち上がり出ていこうとする。
「またあんたって……大きなお世話だがそのケンカ腰を直さないと色々損するから直したほうがいいぞ」
普段は他人に意見を言わない光樹だがこの危なっかしいJKに意見していた。
「説教とかうっざ、あんたは私の親戚でも親でもないじゃん」
亜希は事務所を出ていった。
「はぁ、色々と疲れた、そういえば昼飯もまだ食べてなかったし飯食いにいくかな」
その後、光樹昼飯を食べに行き、自分の仕事に戻った。
とりあえず書きます。
頑張ります。




