スパイ活動
「門兵様はじめまして」
城の門にまで俺は歩いて行った
上等な服を着た俺は門兵に向けて頭を下げた。
「私は使いの者です」
そう言い、ワームホールを使い、自分で取ってきた貴族の紋章のついたペンダントを見せる。
「いつもの奴と違うな」
「はい。彼はもう敵に捕まっております」
「聞いている。反乱を起こして捕まったのだろう?」
「違います! 正確にはあなたがたに渡すための銃を手に入れようとしたところ、感づかれて攻め入られてしまったのです」
父が騎士に命じてあの砦を守らせていた件の詳細も聞いておいた。簡単に言ってケンカ売ったのは騎士の方だったのだ。このへんは抜かりはない。
「城の中に言ってくる。お前はもう用済みだから入れないかもしれんが」
嘲りながら言ってくる門兵。
この貴族はいろんな情報をこの国に流していた。その代償としてうちの国を攻め滅ぼした時の、土地の保障を約束していたのだ。
今となっては保障の対象の土地は奪われている。出せるような情報などもない。門算払いを受けるのが当たり前の状況だ。
「この袋」
俺はここで門前払いを受けないように用意していたものを出す。
「カヤクといえばわかると。これを身の安全と引き換えにしたいと」
「カヤクだな?」
始めて名前を聞く袋に入った粉末。門兵はそれの重要性を分かってはいないだろう。おそらく、テルシオには分かるはずだ。
数分後城の中に入った門兵は戻ってきて中に入る許可を出した。
今、俺はこの国の兵に連れられて王宮の中を歩かされていた。
両脇には絵画や彫刻などが並べられていて、吐き気がするくらい豪華な内装である。
さてと。入れたはいいのだが顔に私は考古学者ですと書いてあるような者などいるだろうか?
当然いない。
火薬を持参しただけでは何日もこの王宮にとどまって調べものをするだけの理由にならない。
考古学者を見つけて石炭を見つけないといけないのだ。できる事なら石油もお願いしたい。
潜入には成功したが、火薬を取られてそれで終わりとはならないように、次の手も用意しないといけない。
「失礼のないように」
そう言い大きなドアを開けた兵。指示をされ謁見室に通された。
「火薬を見せてもらおう」
王は言い、袋に入った火薬を取りに来た女官に渡した。
この国の王は好色とは聞いていたが、兵士以外のおつきの人間は美女ばかりだ。
しかもきれいなお姉さんに可愛い女の子まで様々だ。
うらやましいね。俺なんてフェリエの目もあるからハーレム状態だけど手は出せないというワケの分からない事態になってるからな。
「製法は私にしかわかりません。殺されても話すなと言われています」
「そこまで言えばわかる。そちらの要求をきこうか」
火薬をこの国で作り続ける事を条件に、捕まっている貴族をこの国に呼びよせる。
そういう交換条件を出した。
まあ、あの貴族の処遇に困っていたようだから、父もはいはい言って差し出すだろうな。
そして、自分が捕まえた敵の親玉を理由はどうあれ釈放しなければならなくなった騎士達の足元もちょっとばかし崩れる。
あの父が受け入れないわけがない。




