調きょ……もとい。教育
「さて。見ないぞ」
「なんですか? ロドム様私たちの調きょ……もとい。教育がご不満ですか?」
おいコラ。いま調教って言おうとしたろ。
ハインネの調きょ……もとい。教育が完了したとかで、フェリエは俺の前にきた。
ハインネ君が可愛くコーディネートされてしまったのだが、それを見たくない。
綾斗を見たときドン引きしたし。
化粧までされていたよ。王宮のメイクアップアーティストがしたようで、若い肌をうまく生かしたナチュラルメイクとか。
んな事言われても知らんし。
「性同一性障害の人間を保護する法律作ってくれ」
「残念。立法は女王の管轄だ」
こう会話をしたのが遠い昔のように思えてくる。
「ロドム様。先ほどは大変な無礼を働いてしまいましたわ」
ハインネ君の声に聞こえるんですけど。
抵抗しても無意味なのはわかってる。業を煮やしたフェリエに頭を掴まれてハインネ君の方を向かされた。
知的な美人って感じのコーディネイトでした。上品なフレームなしのメガネをかけており、優しい微笑にそれがよくにあってる。
この世界にもメガネがある。っていうか俺が発明してこの世界にもちこんだ。
「それ、学士の制服だね」
「ええ。地位もいただきましたわ。数学部。部隊長。隊員も二人おりますの」
早すぎぃ! 父かなんかの手回しだろう。確かに何人か数学を学んだ人間がいれば、この国も発展するだろう。
「地位をいただいたからには、それに合わせた上品なふるまいが求められますもの」
地位を与えられて浮かれやがって。この国はあれだぞ。大国から睨まれてんだぞ。下手な地位を持つと逆に危ないんだぞ。
「頭の中で茶化さないでください。それを何とかするために彼女の力が必要なのですから」
俺の頭の中を読んでいるシィは数学の必要性がよくわかっているようである。
「やる気になっていてくれるならなにより」
それしか言う事はない。頑張ってもらわないといけないんだから。
「ケッ。権力にほだされやがって」
「あら。無意味な学問を学んでいるあなたに部下など必要ありませんものね。嫉妬は見苦しいですわよ」
フェリエ君。この悪役のセリフも教えたのかな?
「嫉妬ではない。呆れだ」
「まったく。遠吠えにしても、もう少し言い方がございますわよ。人の悪口は自分の品位も落としますからね」
どの口がいいやがるハインネ。
もう止めなきゃ終わりそうにないからこの辺で止める。
「学士として地位も得たのだから、君の行動は公務だ。上からの命には絶対服従をせよ」
「はっ。心得ておりますわ」
俺は司令官モードになった。これをやると、ネリフスはクスクス笑う。てめえが笑うな。
「空力の計算をしてもらう。パラグライダーでの飛行中に銃を撃った場合の反動の計算。そして反動に耐えうる翼の大きさの計算をせよ」
「数日中に完成をいたします」
ペコリと頭を下げるとハインネは俺に背中を向けていった。
計測用の機械を作るところからだからな。数日なんてむしろ早いくらいだ。
「セリットとティーナも訓練を続ける。隊員が入ったら、指導ができるようになるまで、操縦を習熟させるように」
それを聞くと綾斗も動いた。
これを見ると、やはり俺たちも軍隊なのだと思えてくる。




