空の上での話
「ロドム君。話が」
セリットが言い出してきた
「はい、なんでしょうか?」
相手は年上、しかも呼んだはいいが何も仕事をあげてない。正直引け目のある相手である。
「デルクトとレリレンの話なんだけど」
「あの二人か……」
正直名前も聞きたくない相手だが、あの二人がどうしたというのだろうか?
「あの二人を釈放してあげる事はできない?」
「そう思う気持ちは分からないでもないけど」
俺は考える。釈放してどうしようかと。
「理由とか考えられる? こじつけでもいいけど」
いまさらあいつらを釈放したところで何ができるんだ? という感じではある。二人が望むなら釈放してもいいが、俺に被害が及ばない事が最低条件だ。
「それは考えてないけど」
つうか元々、これに限っては俺が首突っ込む話じゃないんだよな。
「考えというか、一つの案なんだけど」
正直投げやりだ。セリットとティーナの二人に釈放のやり方を教える。後はセリットとティーナがうまくやれればいい。やれなくても知らんし。
こういうスタイルである事は先に明記しておく。
「二人が何かの功績を上げる。そしてその褒章として二人の釈放を求めればいいんじゃないかな?」
セリットとティーナはピクリと顔を上げた。
「私たちに何ができるのかな?」
「今は魔法が使えるだけじゃ何でもないからね。新しい事を覚えるしかないね」
投げやりに突き放すつもりで言った言葉だが、それを言った後『しまった』と、思った。
新しい事。俺やろうとしてるじゃないか。
しかも俺が発案者となれば断れんし。断って『勝手なアドバイスを出すだけ出して何も協力しない』とか言われたら、たまったもんじゃないし。
「私たち、空の飛び方覚える」
やっぱり言われた!
「ほのも覚える!」
ほの! お前は入ってくんな!
空挺部隊の第一隊員が二人決定したのだ。
学院で兵法を覚えているから、簡単な集団指揮の能力もあるし、指揮者としては申し分はない。
つまり断る理由はない。しかも女王と接点がある人間だから断れない。どうしようもないと、三拍子のそろった話である。
綾斗を二人に引き合わせた。
あれから何かがあったようで、綾斗は女の子らしいかっこをしていた。やたらと短いスカートをはかされていて、さっきから裾を掴んで下に下げている。
「どうしてくれるよこれ?」
綾斗は二人を紹介したのにそれを無視して最初にそう言った。
どうにかできるならいいんだけどね。
「俺にはあの四人のうち二人はどうにもできません」
「その二人ってのはあいつとあいつか」
やはりオーラでわかるらしい。フェリエとシィの二人が一番手ごわいと。
「この二人が空挺部隊の第一隊員と第二隊員になった」
俺は綾斗に構わず話を始める。
「女に務まるかよ!」
今となってはおまえも女だがな。そう思うが言葉は胸の内にしまっておく。
「テニーちゃん。私たち、どうしてもやらないといけないの」
セリットが思いっきり綾斗にちかづいていった。相手を女だと認識しているだけあって、距離も近い事。綾斗も童貞みたいな反応して顔真っ赤にしてますな。
「私たちの力をよく見て。足りないものがあったら努力するから」
ティーナもまた近い。胸を綾斗に押し付けていないか? 童貞君の綾斗には刺激が強すぎのようだ。
「問題なさそう」
俺はそう言ってから綾斗のお邪魔にならないように、退散していった。




