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適当男の転生軍師 2  作者: TUBOT
新たなる戦い
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今の現状

 あれから五年経てば、オルとレデの二人もすっかり重鎮だ。城で諜報部の連中から『アネゴ』などと呼ばれるようになり、先輩気分。

 しかも諜報活動もすっかり小慣れてきており、敵の大物貴族の不正なんて情報も持ってきたりする。

 自分達が、元は敵から寝返ってやってきたスパイであるというのはすっかり忘れてしまっている感じだ。

 今、オルとレデの二人は、王宮の応接間にいる。シィはオルとレデの二人のために腕によりをかけたクッキーを作って、出迎えていた。

 普段はお客様用に使われている部屋。壁には絵画が並び、細工をされら調度品の椅子なども並ぶ、豪華な部屋である。

「今日のクッキーのデキはイマイチ。こえれなら帝国のクッキーの方が何倍もよかった」

 なんて不満をもらすほどだ。心の中では『こんにゃろ……』と思いつつも、笑顔でオルとレデの二人に接するシィは、ロドムからの『二人をおだてて情報を聞きだせ』という指示を忠実に守っていた。

「帝国って最近食べ物がとってもおいしくなってね。テルシオ様がなにやらやっているとかいう話だけど……」

 五年前は悪意を持っていたテルシオの事を今では『様』付けで呼んでいる。

 テルシオが何か変わったのかわからないが、オルとレデの二人も食い物がおいしくなったとかくらいで、心変わりをするなんて現金なものだ。

 まあ、そうでもなきゃ、こんなふうにお菓子でこの二人を釣る事もできなかったのであるが。

「正直、帝国の一部になった方が、国民のためだと思うけどね。帝国は食べ物はおいしくて、医療も行き届いていて……」

 その噂はシィも、もちろんロドムもよく聞いていた。

 つまるところ、内政に力を入れ始めたということだ。内政に力を入れるという事は、国力を上げて、次の戦争の準備をするという事でもある。帝国の危険度もこれからさらに増していくのだ。

「この国の評判もよくないですよ。国民の事をほったらかしにしておいて、兵士ばっか増やしているって」

「それくらいのプロパガンタは、どこでもやるものです」

 そもそも兵士を増やさなければならない原因が帝国にあるのだが……それは二人の機嫌を害すこともあり得るので、シィは黙っておく。

 確かに、この国の今の状況は独裁国家というところだ。

 貴族達はいなくなり、女王の事を止められる者がいなくなったという状況は確か。

 国内でも、『今代の治世は良くても、次の代はどうか?』などという事が、不安視されている。

 まあ、じいさん達が気にすることではない。五年たってもいまだに女王は二十歳にもならないのだ。女王の治世が終わるころにはお前らはいないだろう……と。

 それにしたとしても、シィ達が考えなければならない問題ではある。

 その話も、帝国を退けてからの話だ。

 今は良くても、結局帝国は五年前には戦争を吹っかけてきた。その前の治世はあまりいいものとは言えなかった。いきなり五年前に啓蒙的な政策を始めたのだ。戦争が終わったら、また元に戻るだけだろう。

 これはロドムの言う事だ。それに、そういう事にしなければ、兵士を増やすような大義名分もなくなる。

 これが、今シィが分析する、今の国の現状だ。

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