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適当男の転生軍師 2  作者: TUBOT
テルシオとの戦い
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ネリフスの人脈

 フェリエが恥ずかしい新聞を周囲の町に貼りまくっている間に、俺は敵の次の目標である街にやってきていた。

 まあ、彼女らのお小言ももっともの事だここで負けたら俺達にはあとがない。

 俺を中心にして成り立っている組織だ。俺が死に急ぐのは間違いだろう。

 俺がいなくなったらこの国は簡単に占拠をされる。そうなれば俺に味方をしていた女王ひいてはフェリエとシィ達も命が危なくなる。

『まあ、そういう納得の仕方しかできないのは分かっています』

 シィがデイナの魔法を使って俺に話しかけてきた。

 俺にはゆっくりと思案にふける事すらも許されないらしい。うっかりエッチな事でもかんがえようものなら。

『あなたは変態です』

 シィは間髪入れずに声を送ってきた。

 まだ何も考えてないのに。余計な事を考える前にくぎを刺されたという事だ。

 でもどーすんだー?

 この町に兵士などいない。武器もない。いるのは街の壁の管理をするのに最低限必要な人員くらい。

 その中でも隊長クラスは会議に呼ばれたなどと言われてこの町からいなくなっていた。

 ここにいるのは見捨てられた兵卒だけ武器もない矢もない。こんなんでどうやって戦えばいいのだろうか? 町の連中は近くにラルファル帝国の軍がやってきているのなんて全く知らないようだ。

 てか、おかしいだろう? 普通大軍が押し寄せてきているなら、旅人や行商人なんかが逃げ帰ってきて情報が町に伝わるはずだ。

 商人ギルドなんかも買収をされているのだろうか? 商人の姿も少ないみたいだし。

『調べてみる?』

 デイナの声を聞く。

『お願いするよ』

 そう心に思っただけで虫から映像が送られてきた。こういう点では便利だが頭の中を読まれるのは勘弁願いたい。

 窓が少し開いていたので、デイナの虫はそこから中に侵入した。その映像を見ると、商人ギルドは平常運転をしているように見えるが、やっぱり机の数に比べて人の数は少ない。

『こりゃ、大分の商人達は町から避難しているな』

 ここに残されたのは下っ端なんかのようだ。若いやつばかりが多い気がする。

 ちょうどよく彼らが会話を始めた。

「この書類ってわかる?」

「分かるかよ。先輩たちはいきなり家族同伴の社員旅行に出かけるとかでいなくなるし」

「とにかくできるところくらいはやっておかないと、帰ってきた先輩たちにおこられるぞ」

 こいつら騙されてる。先輩たちは絶対帰ってこないって。

 この敵からの攻撃を知っているやつらはこの町から逃げ出してしまっているのだ。これも敵からの契約のうちなんだろうか? 街から逃げ出す人間は最低限とか。

『この件は上手く使えそうだ。社員を守るべきギルドの重役たちが社員を見捨てて』

 ネリフスの打算が聞こえてくるが、それまずこの町を守り切ってからの話だ。

『そんな事わかってる。いちいち嫌味を言わないと会話ができないのか?』

 もうメンドイよこの子。いちいち悪態つかないと生きていけないのか? すこし黙っていてくれ。

『ああん? そんな事を考えていいのか? この町を守るのに私の力が必要になるのかもしれないんだぞ』

 なんだこら。もしかしてこの町に人脈でも持っているのか? そんなんもっているなら早く出せよ! こんなギリギリになってから言いだしやがって!

 俺は、ついそう考えてしまった。本当についだよ。半分は演技だとかいう事は全くない。

 そんな便利なもんがあるなら早く出せ。あんのか? それともないのか?

『う。すまない。私の叔父がこの街で傭兵団の団長をしているのだ』

 アホか。そんな便利な人脈があるなら早く出さんかい。何で言わなかったんだ?

『そ。それは、土壇場になって教えて私の力を見せようと』

 土壇場に悠長に交渉なんてしていられるわけがないだろうが。そうと分かればフェリエの社員の営業担当をこっちに早く派遣していたのに。

 つっても俺のワームホールを使えばすぐにでもこっちに連れてこれるし、ネリフスも連れていこう。土下座してでもその傭兵団を説得してもらうからな。

『はい。すまなかった』

 ネリフスからの念話は、どんどん小さい思念になっていった。

『ロドムさま。それくらいにしてあげてはと』

 シィがネリフスをかばった。珍しい事もあるものだ。

『いくらなんでも言いすぎかと』

 俺の考えはネリフスにダダ漏れだ。俺の包み隠さない本音を知る事ができるというのは、向こうがどう考えていたか知らないがこういう事もありえるのだ。まあ、これからは普通の念話にしよう。俺の頭の中を強制的に覗こうなんて考えなければここまでの事にはならなかったのだし。

『そうですね。私が浅はかでした』

 それからシィの念話は明らかに深さが変わった。これで俺の考えている事が包み隠さずに向こうに漏れる事はなくなったのだろう。

『さっき俺の本音はバレたんだから、いまさら遠慮はしないよ。ネリフスとフェリエの営業担当をこの町に連れてきて傭兵団との交渉を始めよう』

 俺の念話に若干おびえた感じのネリフス。

 かわいそうな事をしたとは思わない。というかそんな事を考えていられる状況ではない。ついでに人の頭の中を強制的に覗く事のデメリットも分かってくれたのだ。

 それで満足しておこう。

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