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適当男の転生軍師 2  作者: TUBOT
テルシオとの戦い
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新聞

「みんなひどいよねぇ。せっかく頑張って村人たちを救ったのに」

「あれは怒られてもしょうがない事だったし」

「こらぁ! 私はロドム君の事をかばっているんだよ。そんな事を言われたら、私達の立つ瀬がないでしょう!」

 両頬をおたがいにセリットとティーナのふたりに引っ張られた。

「私達に協力させてよ。力になるから」

 セリットからの言葉を聞く。ティーナだって同じように俺の事を見据えていた。

 だが、俺はこの二人にできることはないと考える。

 デイナのような特殊な魔法の属性を持っているなら別だが、二人の属性は『水』と『土』だ。普通の魔術師であり、学生上がりの二人に正規軍と戦えるような能力はないと思っている。

「お二人様。ちょっとよろしいですか?」

 俺が二人に肩を掴まれながら引っ立てられるところ、後ろからフェリエが声をかけてきた。

「おや? ロドム君が必要?」

 ティーナとセリットの二人はフェリエの言う事なら聞く。俺の実生活を崩さないという事。イコール許嫁であるフェリエとの仲の邪魔はしないというのは、デイナを含めた三人の決まり事である。

「今日はセリット様とティーナ様に話があります」

 この二人に話とな? フェリエのがこの二人に用とは何考えているかわからないな。

「ロドム様は早くお休みになってください。いつ敵が動き出すかわかりませんよ」

 俺がいたら話せない話か。なんにしろ、俺は今眠いし。フェリエと彼女らの内助話を聞く趣味はない。

「すまないね二人とも、そういう事だから」

 渡りに船という感じだ。俺は二人が手を離した後、自室に向かっていった。


「セリット様、ティーナ様。悔しいと思いませんか?」

 ここは誰もいなくなった作戦室だ。

 ロドムがいなくなってしまったらみんなが集まる意味はない。

 そうとでも考えている感じでロドムが休むとすぐに解散になった。ここにいるのはこの三人だけだ。

 フェリエは二人に話を始める。最近思慮を持つようになったフェリエは、二人にある提案をしようとしているのだ。

「私達でロドム様のイメージアップをしようと思います」

 それから説明をした。

 ロドムはあの村で村人の命を救った、この事をシィやロドムの父、最後にはロドム自身まで『バカな事をした』と言った感じに考えている。

 本来なら英雄視されてしかるべき事であるにもかかわらずだ。

「もっとロドム君は自信をもって自分のやさしさをアピールするべきだよ」

「理由もなく、悪者のフリをしているようにしか見えないよ」

 セリットとティーナは続けざまに頷き合った。

「そうです。自分からイメージダウンをはかっているフシも見えます。ロドム様は目立つ事が嫌いなんです。自分の偉業を自分から広める気はないし、おそらく地位と名誉にも興味がないと思われます。出世を望んでいるようにも見えないどころか、出世をする事を敬遠しています」

 フェリエの考えに二人とも同意をする。

 無理矢理ロドムの父がたきつけているから働いているが、それがなくなったらおそらくロドムはこの王宮から逃げ出す事ばかりを考えるだろう。

「こんなお先真っ暗の国の面倒を見るなんて冗談じゃない」

 ロドムの口調をまねてフェリエが言った。ロドムなら絶対にそう言うはずだ。そのフェリエの考えに二人とも同意をする。

 本来人は他人からよく見られたいはずだし、自分のいいところはみんなに伝える。だがロドムにはそれがない。

「イメージアップをしようとしたら、ロドム様は私達を止めようとします。この計画は秘密裏に行わないといけません」

 思慮のまわるようになってきたフェリエはそう考える。

 この話をロドムが聞いていたら。あーだこーだ言ってぜったいにこれを止めようとしていたはずだ。

「私の家は『新聞』というものを作っています。スポンサーがあつまっており今すぐにでも、開始できそうな状況です」

 フェリエはロドムから聞かされていた。

 民衆に事件などを伝えるためにテレビのニュース番組というものがある。だがテレビの事を尋ねても、ロドムは作り方をしらないらしいし『動く絵を見せる家電製品』などという説明では、どう作ればいいか見当もつかない。

 このテレビのニュースはとてつもない影響力があるのだという。国中のニュース番組が一緒になれば、政変をさせる事だって夢ではない。

 あるときロドムの世界で、放送税というものがかせられそうになった事がある。その時、テレビとラジオが結託をした。

 テレビとラジオで今の政界の事をさもおかしいもののように報道をした。総理大臣をとにかくバカにして、失言はしっかり拾って民衆に現在の閣僚達をさも悪いもののように宣伝をした。

 そうすると世間は動き選挙では今の体制に、ノーをつきつけ政権交代がなされたのだ。

 それから先はヒドいものだった。

 国の利権は脅かされ他国に対して有利な法案ばかりが通される。

『日本は日本人だけのものではない』

 などという言葉を政治世界のトップが言ったほどだったという。

 だが、それでもテレビやラジオは何事もなかったように知らないふりをしている。

「それが許されるんです。報道の世界では」

 新聞にはそれだけの力がある。ロドムの事を民衆に広く知ってもらい、彼のイメージをアップさせれば力になるはずだ。

「記事を私達が書くのです。ロドム様が本当に優しい人である事をみんなに知ってもらいます」

 そうやってイメージアップをさせれば、絶対にロドムを守ることになるし、これからロドムの事を非難する人間に対する抑止力になる。

「私の家の力でその新聞を辺境の村にも配ります。そうすれば、きっとみんなロドム様に協力をして国を守ってくださいます」

 フェリエはロドムがいた世界では当たり前にされているイメージ戦略を使っていこうと考えている。

「いいですか。この事はロドム様には内緒ですよ」

 フェリエが言うのに二人はうなずいた。

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