戦争を起こす
牢から出されたレリレンとデルクト。監視の人間一人ついていない状態で面会室と呼ばれる牢の入り口にある小部屋でみんなで会う事になった。
「今更何の用だよ」
レリレンは言う。
「ふてくされるな。話を聞きなさい」
レリレンに冷たく言うセリット。
「あなたたち、今でもロドム君を恨んでいる?」
「面会に呼んどいてそんな事を聞くのかい?」
デルクトは言う。
「どういう意味でそんな事なの? 言っておくけど嘘は効かないよ」
シィを指さすセリット。
「私の口から言ってもいいですか?」
シィが面倒そうに言う。
「彼の口からききたい」
セリットはデルクトを見据えた。
「恨みはないと言うとウソになるが、今更恨んで何になるのかってのが」
今は魔法を使えても何の自慢にもならない時代だ。牢の中で時間を過ごすだけの自分には何も残っていない。
いまさらロドムを恨んだところで、今は国防を担っているあいつからすれば虫がうごめいているようなものである。彼を恨んでも自分は歯牙にもかけられない存在だ。
彼を憎んでも虚しいだけだ。
「嘘はありません」
シィは言う。
「レリレンは?」
「もう。どうでもいい」
自分のプライドなんて完全に折れている。目標もなく希望もない。気力なんて全く起きないという。
「本当です」
シィが言う。
「これで役目は終わりですか?」
そう言い退出をしていく。セリットとティーナはそれを見送った。
これから本題を話す。シィはそれに知らぬ存ぜぬをするつもりらしいし、興味もないらしい。
監視の人間もいないこの状況で、四人だけになったこの状況でセリットはレリレンに聞き出した。
「あんたの悪知恵を借りたい」
「なんだよ」
レリレンとて自分の考える事を悪知恵と言われるとイラつくものだ。
「この国で戦争を起こすにはどうすればいいか?」
「はぁ? そんなん知るわけないだろう?」
「トラブル起こすのは得意でしょう?」
「うるせぇな」
「国の上層部を見たけどあんたみたいな奴ばっかよ。あのシィって子も似たようなもの。上品なフリして、自分の事しか考えない。他人を蹴落として自分の地位を上げる事ばっか考えている。そういう人でないと王宮では生き残れないの」
「楽しそうだな。って言ってほしいのか?」
「そういう人間の考える事はよくわかるんじゃない?」
ちっ……と舌打ちをしたレリレン。
「ケンカを起こさせる方法なんて簡単だよ。ナメる。ナメられる」
ナメられたら、どこかで復讐を考える。ナメている人間は今の地位から落とされないように必死になる。
「ナメられている人間に絶大な力を与えると復讐を考えるし、いままでナメてた相手に負けるのが一番気に障るから」
意地になって前までの状況に戻そうとする。あいつにナメられるなら死んだ方がマシってな。
「そして復讐をする方は。死んだ方がマシなら死ね。って考える」
レリレンは言う。
「死んだ方がマシなら死ね……」
この王宮にそういう話はあふれている。セリットはその言葉を聞いて息をのんで一つの方法を思いついた。




