石炭探索
「燃料ですか?」
アニーは王から言われる。
「燃えるものを必死に探している奴がいてな」
ふと思い出した顔があった。
王の前に呼ばれたアニー。
「お前なら知っているんじゃないか? って話をしていたぞ」
「石炭の見つけ方ですか」
石炭は過去の森林の場所を予想できれば見つけることはできる。地殻変動や土砂崩れなどで、土の中に大量の植物が埋まったと予想される場所を見つける。
「石炭そのものが露出している事も多いので黒光りしてボロボロ崩れるような石を調べてみたら石炭だったとかいう事もあります」
石油もたまに染み出している場所があるのでそこを掘ったりしている。探せばどこかにあるかもしれない。
「意外と簡単に見つかるものなんだな」
深くに埋まっている石油などは音波やエックス線の技術が発達をしてからだろうが、地表近くに石油がある事も多いので探してみないとわからない。
「逆に言えば、いい見つけ方なんてないんです。足と根気で探すものですから」
「早く探しに出ていればよかったのだな」
王は言う。
「しかしなぜそんなものを?」
一度、ロドムから聞かれたことを覚えていたアニー。
もし石炭や石油が戦争に使われる事になれば、ダイナマイトを発明して、大量殺人者の汚名を受けたノーベルと自分が重なることになるかもしれない。
「そろそろ冬が近いんでな。ある奴が作っている火薬をつかって暖を取ろうということになっているんだが」
その本人は言うのである。
うちではちかくの山から取れるという謎の燃える石を使ってストーブを使っている。この国にはそんなものすらないのかと。
「黒くて、ボロボロ崩れて、黒い煙を大量に吐き出して燃える石っていえば石炭だろう?」
この国にも石炭があるのではないだろうかと思い、アニーに聞いてみたのだという。
「石炭があるかもしれないなら探してみる価値はある。至急に探索隊を出せ」
王に勅命により、石炭の捜索が始まった。
「うっしゃ上手い事話が進んでいったぞ」
王宮の噂を聞いた俺は俺の策謀がうまく進んだ事を知る。
アニーから直接聞いても教えてくれそうにないし、俺は彼女から警戒をされている。
ならば、使い方を知らないこの国の王に探索をさせればいいと考えついた。
この国には多くのスパイを送っているので、この国に必死に石炭を探すノウハウを培ってもらって、スパイで技術窃盗をすればいい。
この国が石炭を手に入れてしまうという危険はもちろんあるが、この国でいきなり蒸気機関を作れるはずがないし、航空力学の知識もないのに飛行機を飛ばせるはずもない。
危険はあってもこちらへの見返りの大きさを取ったのだ。
ほのを使って何かをしようと思っていたのではないかって?
ほのは使い物にならんかった。
今ではお勉強と聞いただけで逃げ出すようになってしまっている。王宮で王子や王女に教養をつけさせようとした家庭教師の気持ちを十分に堪能することになったのだ。
後は待てばいいだけである。うち国から反乱貴族が送られてくるのを見届けてからでいいだろう。




