セリットとティーナの面会
フェリエの後に謁見室にやってきたセリットとティーナ。
「あの二人の釈放の話か?」
女王は言う。セリットとティーナの嘆願もこれで二十回目だ。毎回同じ内容なので当然分かる。
確かに功績を上げたらしいからその話をしに来てもおかしくない。
だが、これで国家反逆人を釈放とまではいかないだろう。そこまでの事はしていない。
「今回はあの二人に面会のお願いを」
「それぐらいならいいだろうという事か」
セリットの言葉に唸る女王。
いままで、釈放をしろといきなり言い続けてきたから突っぱねてきたが、そうなるとそれくらいはいいかもしれない。
「それくらいなら問題ないかと」
女王が後ろを向き、ロドムの父に聞くと聞く前に答えが返ってきた。
「尋問をしたいので、シィを一緒に連れて行きたいのですが」
「尋問?」
あの二人にはすべて話してもらっていてすでに聞くことなどない。この二人であれば普通に聞けばいいはずだ。あの二人が嘘を言ったところでそれはそれ、本来そうするべきであろう。
「面会をしたいというだけならわかるが、嘘をつけないようにいちいちうそ発見器を同行させることもないだろう?」
「私達にとっては重要なんです」
女王は言う。
元許嫁というならば、それはあまりよろしくないのではないかと思う。重要だろうがなんだろうか本人たちの問題に、人道的な意味で使うのはよろしくない。
「私達はどうしてもあの二人の今の真意を知りたいんです」
『いいのではないでしょうか?』
痴情のもつれにまで口を挟むのは女王としても品位に欠けるし、思う所もあるのは当然。彼女らが望むというのならそうさせればいい。
ロドムの父はそう付け加えた。
「いいだろう。面会時間は一時間とする」
長めの面会時間を二人に言い渡し、女王は二人を下がらせた。
シィの部屋に向かった二人。シィは二人の来訪にやや怪訝な顔をしていた。
「お二人の気持ちは分かりますが」
シィも、二人の行動には反対のようだ。痴情のもつれに巻き込まれる身にもなってほしいものだと言う。
「私の頭を読んでみて」
「人の頭を覗く趣味は……」
「ロドム君の頭の中はいっつも覗いているのに?」
「あの人の考える事は面白いですし、口は悪いですが気持ち悪い事は考えない人なんですよ。人の頭の中を読むなんて便利に思えるでしょうが、人の妄想なんて聞くのもきつい事も多いのです」
「いいから読む!」
シィはしぶしぶといった感じでセリットの頭の中を読んだ。
「そんな事をですか。いい事かどうかわかりませんが」
「いずれ起きるでしょう」
「自分から起こす事もないのでは?」
「ロドム君がいないとあなた何もできないのね! 少しは自分で動こうとしなさい!」
「私はロドム様と言う星に寄りそう月であり影なのです。ロドム様がいないと何もする事はできませんね」
シィの言いようにセリットは苛立った。
シィは完全に忠実なロドムの下僕なのだ。ある意味その考えは分かるところがあるから何も言い返せない。
「影なら余計な事は考えないで私の言う通りにしなさい」
「いいですよあなたに実行力があるとは思えません」
そんな大それたことをする能力はセリットとティーナにはないと言っているのだ。
シィはそれからセリットとティーナについていった。




