理不尽vs理不尽 07
2.大地母神、走る。
大地母神は、自らの神域に戻ってきていた。神域の中を大平原にして、中央にガーデンテーブルを配置した。備え付けの椅子に座る。
風に揺れる草が、のどかな雰囲気を醸し出していた。
「ふぅー」
小さく溜息をついた。
「とりあえず……。お茶を入れますか……」
ガーデンテーブルの脇に、小キッチンが現れた。お湯を沸かし、お茶を入れていく。彼女の姿は、定期的に変化していた。
“姿が定まらないのは……落ち着きませんね……”
神々の大戦で肉体を失って以来、神の姿は信徒のイメージを反映している。大地母神の場合、地域や宗派によって、イメージが異なるのだ。共通しているのは、優しそうな女性であるという点だけである。
「他の神に会うときは……イメージを固める必要が……あるんですよねぇ……」
“面倒ですし……。神力を大量に消費しますし……”
グチをこぼしながらも、お茶を一口。ささくれだった心が、落ち着いていくのを自覚した。
「さて! お仕事しますかっ!!」
大地母神は、元気に立ち上がった。
「まずは……。知識の神に、前例があるかの確認」
大地母神は、指を1本立てた。
「つぎに……。戦の神に、分割 気合い弾の魔法を、関節の外側に配置した時の、人体への影響の確認」
大地母神は、2本目の指を立てた。
「何も問題が無ければ……。私が、法則化」
大地母神は、3本目の指を立てた。
「言葉にするのは、簡単ですが……」
大地母神は、小さな苦笑を浮かべた。
「実行するとなると……。ねぇ……」
“カワイイ、ジュールの頼みじゃなかったら……。無視していますね”




