理不尽vs理不尽 05
バルナスとジュールが……。手を繋ぎながら食堂に到着した。
2人とも、ツヤツヤのキラキラである。
「お二人さん、昨夜はお楽しみじゃったかの?」
先に到着し、お茶を飲んでいたドワーフ(※)の神官戦士ガロンが、鉄板ネタでからかう。ガロンは……ツヤツヤだった。一体、なにがあったのだろう。
「秘密、ですよ」
バルナスが、顔の前で右手人差し指を振ってみせた。
ガロンは……。酒が何よりも好きな気のいい親父である。身長:130cm。体重:80kg。ビア樽のような典型的なドワーフ体型である。
妖精族の年齢は分かりにくいが、動作が機敏なのであまり年寄りではないらしい。
肌の色は濃い肌色で、茶色のストレートヘアー。小さな赤茶色の眼は、いつもニコニコ笑っていた。
最後に登場したのは……。戦士レイブンと、神官戦士ドラナと、人間の少女リリスだった。リリスは……性悪猫と称されている、イタズラっ子である。
レイブンの左腕にドラナがしなだれかかり、レイブンの右腕には、リリスが抱えられていた。
レイブンは……。傭兵団出身の冒険者だ。
身長:180cm。体重:85kg。大柄な筋肉質の身体の上に、純朴な田舎の青年の顔が乗っている。そんな感じの青年である。
年齢は18歳は過ぎているが、23歳にはなっていないようだ。肌の色は茶色で、髪の毛はボサボサの灰色。大きめな灰色の眼球が、優しい雰囲気をかもし出していた。
ドラナは……。筋肉ムキムキの、ゴリゴリお姉さんであり、戦神神殿の神官戦士である。
身長は175cm。体重は78kg。彫刻のように鍛え上げられた鋼の筋肉の上に、意志の強さを感じさせる凛々しい顔立ちが乗っている。そんな感じの女性である。
年齢は、レイブンよりは年上のようだ。
肌の色は健康的に焼けた褐色で、髪の毛は短く刈り上げられている。
琥珀色の瞳が、戦場では鋭い殺気を、平時には姉御肌の包容力を宿していた。
リリスは……。戦神神殿の孤児院に保護されている10歳の人間の女の子である。
身長:130cm。体重:29kg。同年代の平均より少し小柄で、華奢な体格だ。
肌の色は白色で、艶のある漆黒の髪色をしている。
髪形はくせ毛のショートヘアで、額をきれいに見せるセンター分けにしている。どうやら、毎朝自分でセットしているらしい。(今朝は……。ボサボサだが……)
少し吊り上がった鋭く知的なキャットアイが、勝ち気な性格を表していた。
瞳の色は、毒を秘めたアメジスト(紫)。年齢にそぐわない妙な色気と、危険な雰囲気を醸し出している。
ちなみに、レイブンとドラナも……つやつやだった。
昨夜の熱戦が、偲ばれる。
レイブンの腕に抱えられたリリスは……つやっつやで、テッカテカだった。
見た目は、つやっつやで、テッカテカだったリリスだが……。
「おなか……すいた……」
リリスの声は……。今朝も、枯れ果てていた。
“リリスの声が、昨日に続いて今朝も……ガラガラだ……。
レイブンとドラナ姉さん、リリスを全力で甘やかしたのかなっ?! あの2人に……全力かぁ……。あはは……”
バルナスは、目を逸らした。その頬は、少し赤くなっていた。
“レイブン様と、ドラナお姉さまに……どれだけ、可愛がられたのですかっ?! とりあえず、水分をとらせましょう”
ジュールは、リリスのことを心配していた。彼女の耳は、少し赤くなっていたが……。。
“生きては……おるの。まあ、生きているから……問題は、少しだけだな……”
ドワーフのガロンは、達観していた。
「たくさん食べて、元気になりなよ……」
ドラナは、愛おしそうにリリスの頭を撫でた。
「ドラナ。食べさせて?」
リリスの紫色の瞳は、熱っぽく揺れていた。妖艶……という言葉すら、なまぬるい。
「ドラナ。だっこ……。レイブン、固い……」
リリスが、ドラナに向かって手を伸ばした。ドラナは……慈愛の笑みを浮かべながら、レイブンからリリスを受け取った。
※:ドワーフ族とは……。
この世界に生息する亜人の1種。かつては妖精族の一員であったが、物質界に完全に入り込んでいる。
身長:120~130cm程度。丸々と太っている。肌の色は濃い肌色。あごには長いひげを蓄えており、だんご鼻。女性にはひげは生えない。
暗闇の中でも昼間と同じように物を見ることができる。手先がたいへん器用で、細工を作ったり鍛冶などの技術に長けている。
性格は頑強で、頑固。エルフを毛嫌いしており、会えばたいてい喧嘩がおきる。




