理不尽vs理不尽 34
《バルナス。ジュール。こちらへ》
知識の神が、バルナスとジュールを呼んだ。2人は、手を繋ぎながら知識の神の前に立った。
「バルナスです。初めまして」
「ジュール。参りました」
2人は頭を下げた。
《この薬学辞典。とても居心地が良い。それだけだ》
「ありがとう……ございます」
バルナスが頭を下げた。ジュールも、つられて頭を下げている。
「知識の神様……。それだけ、ですか?」
《そうだ。よく学んでいるから、褒めたくなった》
「嬉しいですっ!!」
バルナスの笑みは、珍しく裏が無かった。
《これからも……励め》
知識の神は、ニッコリと笑った。
《で、新たな知識を得たら……。我に教えてくれ》
「はいっ!!」
《お前が我の信者でないのが……。とても残念だ》
「商売の女神様を裏切ったら……。祟られそうじゃないですか……」
《あいつなら、間違いなく……祟る》
「否定して欲しかったですっ!!」
《お布施を弾んでおけ。あいつは……嫉妬深いぞ?》
「!!!」
バルナスの背筋を、冷たいものが走り抜けた。
“商売の女神様? お布施は弾みますので、祟るのは、ナシでっ!!”
《薬学辞典の借り賃は、今夜にでも払おう。羊皮紙とインクを用意して、我を呼べ》
「はいっ!!」
《オレも呼んじゃうぞ!!》
戦の神は、名前を呼んだ。
《ドワーフのガロン。人間のドラナ。人間のレイブン。こっちへっ!!》
呼ばれた3人が、戦の神の所へ。ガロンは、胸を張っていた。ドラナとレイブンは、手を繋いでいた。




