理不尽vs理不尽 33
「戦の神様って……。おばか?」
リリスが、バルナスとジュールに尋ねていた。
「おばか……じゃなくて、浅はか……だよね」
「はい。何も考えておられないようです……」
知性派コンビの追撃は、クリティカルヒットだった。
《お、オレは……馬鹿じゃねえっ!!》
典型的な、おばかである。合掌。
《おまえら……。頼むから、改宗はしないでくれ……》
戦の神は、必死だった。
「しないですよっ!!」
「オレ達が、戦の神様を裏切るワケ、ないじゃないですかっ!!」
さすがに悪ノリが過ぎたと判断したらしい。神官戦士たちは、真剣だった。
《もう少しで……。信者が増えたのにっ!!》
知識の神は、悔しがっていた。
《簡易神殿の設置までは、いけたんだから。欲張ってはダメよ?》
大地母神が、知識の神を宥めていた。
「神様の世界も……。世知辛いね」
「はい。とても、世知辛いです」
バルナスとジュールは、顔を見合わせていた。
「レイブン。あーん」
「あーんっ」
レイブンとドラナは、いちゃいちゃしていた。
《試射の前に、ゲストの2柱が、特定のヤツと話をしたいそうだ。もう少し、待っててくれ!! その間に、すぐ食えるお供え物を、食っちまってくれ!!》
「わかりましたっ!!」
「お供え物の、お下がりをいただくぞー。並べー」
並べられたお供え物が、配られていく。
《みんな。お供えありがとなっ!!》
戦の神は、満面の笑みだった。
《ジュール。バルナス。こちらへ》
大地母神が、ジュールとバルナスを呼んだ。2人は、手を繋ぎながら大地母神の前に立った。
「ジュール。参りました」
「バルナスです。初めまして」
2人は頭を下げた。
《あなたが……バルナス》
大地母神が2人の周りをクルクル回った。
《へー。いいオトコね。さすがジュール。見る目があるわね》
「はいっ!!」
ジュールは満面の笑みを浮かべていた。
大地母神がバルナスの瞳を覗き込んだ。
「なにか?」
バルナスは、内心のバクバクを完全に隠している。
《ジュールを泣かせたら……》
大地母神のプレッシャーが、一気に増大した。
《もぐわよ?》
「絶対に、ありえません」
バルナスは、睨み返した。
「え? え? え?」
ジュールは、どうしたら良いのか分からないらしい。バルナスと大地母神を見ながら、ワタワタしていた。
《あら。やるじゃない》
大地母神がニッコリ笑った。プレッシャーが一気に下がる。
《合格よ》
「お眼鏡に適ったようで、ほっとしました」
バルナスは、ニヤリと笑ってみせた。この魔術師、とんでもない面の皮である。
《これからも……。2人で仲良くね?》
「はいっ!!」
「もちろんです!!」




