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理不尽vs理不尽  作者: くらま
5.神様をお迎えしよう。
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理不尽vs理不尽 32

《おまえら……。なんでそんなに、喜んでるんだ?》

 戦の神(ノドレイ)は……理解していなかった。


《あとで……説明してあげるわよ》

 大地母神(ニスシャ)は、苦笑を浮かべていた。



 

 知識の神(エスサフィン)から授けられる、人体透視図。それも、肘から先が両手分。回復魔法(ヒール)を生業にしている神官(プリースト)にとって、喉から手が出るほど欲しい報酬である。※


《暑苦しいのは、好きではないが》

 知識の神(エスサフィン)は、ニヤリと笑った。

《改宗は……。大歓迎だ!!》


《お、おまえもかよっ!!》

 大爆笑!!




《改宗はムリでも……。祈りを捧げてくれると、我は嬉しい》

「簡易祭壇、癒しの間に作りますっ!!」

「ご神体は……。薬学辞典? 賢者の学院で、買えるのか?」


「学院には、僕が口を利くよ」

 バルナスが口を挟んだ。


「知識の神(エスサフィン)様、最新版が希望ですよね?」

《当然である》




《お、オレの神殿で、勝手なことを……するんじゃねえっ!!》

 大爆笑!! 戦の神(ノドレイ)は、ひたすら不憫であった。




《戦の神(ノドレイ)。あなた、具現してから……。負けっぱなし……よ?》

《………………》

 大地母神(ニスシャ)が、戦の神(ノドレイ)に止めを刺していた。


「うっわー。大地母神(ニスシャ)様。そこまで言うのか……」

 バルナスは戦慄した。


「戦の神(ノドレイ)様は、どうして萎れているのですか?」

 ジュールは、良くわかっていないようだ。


「戦の神(ノドレイ)様……。見事な負けっぷりじゃなっ!!」

 ガロンは、開き直った。


「戦の神(ノドレイ)様。かわいそうだなー」

 レイブンは、思いっきり傷口に塩を塗り込んだ。


「あたしは……。なにも見てないぞ!!」

 ドラナは、現実逃避をした。


「お、オレたちも。なにも見てないっ!!」

 神官戦士たちも、現実逃避をした。


「神様って……。理不尽……」

 リリスは、溜息をついた。




 お祭り騒ぎは……まだ続く。




《とりあえず!! 改宗は、ダメだぞっ!!》

 戦の神(ノドレイ)が、必死な様子で釘を刺した。


《知識の神(エスサフィン)の簡易祭壇は……。いまさら止められねえっ!!》

《本格的な祭壇にしてくれると……。我は嬉しい》

 知識の神(エスサフィン)が、ずうずうしい主張をしていた。

《簡易祭壇止まりだっ!!》


《畑に……簡易祭壇、作ってくれる?》

 大地母神(ニスシャ)は、首を傾げていた。

「もちろんですっ!!」

《大地母神(ニスシャ)?! お前らっ?!》


《ちくしょーっ!! なんで、オレは、こいつらを招待したんだっ!!》

 戦の神(ノドレイ)が、地団太を踏んでいた。


《こうなることぐらい、予想できただろうに……》

《ねぇ?》

 知識の神(エスサフィン)と大地母神(ニスシャ)が、顔を見合わせて笑っていた。







※この世界の回復魔法について……。

 この世界の回復魔法は、自然治癒力を加速する魔法である。


 切り傷には強いが、打ち身や病気にはあまり強くない。特に、人体内で抗体のできていないウイルスに対しては、全くの無力である。


 また、人体の構造を熟知していないと、回復に時間がかかるのも特徴である。

 部位を特定して治癒させるのと、漠然と治癒させるのでは、必要時間が大きく異なるのは道理であろう。


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