理不尽vs理不尽 27
5.神様をお迎えしよう。
ご神体に、変化が現れた。
最初は、戦の神のご神体が、光を放った。光がおさまると……。半透明の人影が立っていた。見上げんばかりの偉丈夫のようだが、姿かたちは不明瞭だった。
地面に刺さったご神体の剣の柄を右手で握り、周囲を睥睨している。
《オレが戦の神だっ!!》
神官戦士たちが、一斉に頭を下げた。
《頭、あげてくれっ!! 世紀の一戦を、見逃しちまうぞ!!》
「そうっすねっ!!」
「戦の神様。いかすぅっ!!」
「ヴァルハラに行ったら、戦の神様と戦えるって、ほんとですか?」
《ほんとだぜっ!!》
その場は、大歓声に包まれた。
「ヴァルハラ?」
「始めて……聞きます」
バルナスとジュールは、ぽかんとしていた。
「戦の神様の……神域の名前よ。昼間は、永遠の戦場。夜になったら、永遠の宴会場……なんだって」
“しゅ、酒池肉林なんて……。恥ずかしくて、言えないわよっ!!”
内心のバクバクを完全に隠したリリスの説明は、淀みなかった。
「勇気ある戦いを行って、死んだ戦士だけが、招かれる場所」
「不思議な……死生観だね」
「です……」
バルナスとジュールは、顔を見合わせた。
「あたしには……。関係無いんだけど、ね」
“卑怯な振る舞いしか……してないものね”
リリスは、遠くを見ていた。
「関係無い? それは、無いと思うけどね」
バルナスが続けた。
「誰彼構わず……。全力で、煽り倒してるよね? 命をチップにするのは……やり過ぎだよ」
“ある意味での、勇者?”
「きっと、行けますよ」
ジュールが続けた。
「リリスちゃん……。いつでも全力で周りの方を煽っていますから! 見ているこちらとしては、ハラハラしますが……」
“もう少し……命を大切にして欲しいです!”




