理不尽vs理不尽 25
「これ……。神様3柱が、具現されるまで、このまま?」
「でしょう……ね」
バルナスの呆れ交じりの言葉に、ジュールが苦笑で返した。そんな中、リリスが静かに暴走を始めた。
「いったいぜんたい、なにが起きてるの?
あたし、どうしたらいいの?!
もう、やってられないわっ!! あたし……。強いお酒、飲んでもいい?
いいよねっ?」
リリスは、色々と限界だったようだ。
暴走したリリスを、優しくジュールが抱きしめた。ジュールのオッパイが、リリスの顔を優しく包んだ。
「ダメですよ。リリス。
丈夫な赤ちゃんを産むために、強いお酒は……ガマン、しましょうね?」
「丈夫な……赤ちゃん?」
リリスはジュールの顔を見上げている。
「いまから、強いお酒を飲んでしまうと……。丈夫な身体ができません。分かりますね?」
「う……ん……」
リリスの顔は、真っ赤だった。
“ジュールちゃん……。心配、ありがと……”
リリスの脳内に、多幸感が溢れていく。リリスは、無意識にジュールの匂いを嗅いでいた。甘い匂いが、リリスの鼻腔に満ちていく。
“ジュールちゃんのオッパイ……。柔らかい……”
リリスの表情が、蕩けた。
それを見たバルナスの額に、青筋が浮かんだ。
バルナスが、リリスの頭に軽い拳骨を落とした。そのまま、リリスの耳元で囁く。
「それは……僕の。あげないからね?」
「め、目が怖いっ!! こ、殺さないでねっ!!」
リリスも小声で返した。
「殺しは……しないよ」
“泣かせは……するけど”
にやり。
「バルナス様?」
嫌な雰囲気を感じたジュールが、バルナスを睨みつけた。
「リリスって、揶揄うと面白くてさ」
「ぶーぶー」
リリスは膨れてみせた。
“ヤバいっ!! あたし……やりすぎた?! 気を抜くと、本気で死んじゃう?”
リリスの勘が、最大音量で警告を発していた。ただ、気づくのが、遅すぎたようだ。
「失礼の清算のために……。今夜は、僕たちの部屋においで。清算が終わったら……。
そのまま、寝たらいいよ」
“腹いせに……。なにしてやろうかな? 電撃の魔法だと、死んじゃうから……。
小さな光の矢? 危険になったら、ジュールに回復してもらって……”
バルナスは、別の思い付きに目を輝かせた。
“あ。羽でくすぐってやろうかな? 笑い死にって、とっても苦しい……って聞いたことがあるなあ”
バルナスの笑みは……とても恐ろしかった。
「それも、いいですね。子守唄を歌ってあげましょう」
“リリスちゃんの清算が終わったら……。さっさと寝かしつけないと、いけませんねっ!!
そうしないと、バルナス様との甘い夜が……。
そうです!! バルナス様に、眠りの雲を使って頂きましょう!!
それで、丸く収まりますねっ!!”
バルナスとジュールの、目が怖かった。特に、ジュールの眼が怖い。
「清算?! しなきゃいけないようなこと、してないわよっ!!」
“勢いに任せて……。誤魔化すしかないっ!!”
リリスは、怒鳴った。この判断が、危険な2人に火をつけた。
「ほーお? 借り逃げ……させるとでも?」
「私、子守唄には、自信がありますよ?」
2人の瞳から、ハイライトが消えかけている。
「ごめんなさいっ!!」
“やばいっ!! 死ぬっ!!”
リリスは、思いっきり頭を下げた。




