理不尽vs理不尽 17
大地母神様とジュール。距離が近いです。
苦手な方は、ご注意を。
その頃、ジュールの脳内では……。
《くんくん》
“ニオイ……嗅がないで下さいっ!! 恥ずかしいですっ!!”
《いいニオイだよ?》
“!!!”
大地母神の過剰な愛情表現が、佳境を迎えていた。過剰な愛情表現は、甘い毒となって、ジュールをゆっくりと蝕んでいく。
“大地母神様から……甘い香りが……。なんだか、えっちなニオイです……”
ジュールの精神は、正常な判断を下せなくなっていた。
《くんかくんか》
“すんすん……”
ジュールは、大地母神の真似をしてみた。甘い香りと多幸感が、ジュールの心を満たしていく。
ジュールと大地母神の視線が絡み合う。お互いの茶色の瞳の奥には、小さな炎が燃えていた。
《ジュール……》
“大地母神様……”
唇が重なった。2人の影は……しばらく重なったままだった。
「あれれ?! なんで、ジュールが蕩けてきてるの?!」
バルナスは、水をぶっかけたい衝動と必死で戦っていた。
「大地母神様!! 恨みますよっ!!」
バルナスの叫び声が、虚しく虚空に消えていく。
《ふぅ……》
大地母神が、ジュールから離れた。2人の唇を、銀色の糸が繋いでいた。
“はぅ……”
ジュールの顔は、真っ赤になっていた。膝なんかは、ガクガクだ。
《また……しようね?》
“は……い……”
《補給完了♡》
大地母神は、ニッコリ笑った。
《じゃあ本題の80連射の件だけど……》
“いきなり、本題ですか?!”
《当然じゃない。お仕事しないと……》
“大地母神様が……理不尽すぎます……”
大地母神の笑みが、ニヤリに変わった。
《神様っていうのは、理不尽なモノなのよ? 知らなかった?》
“知りたくなかったですっ!!”
《結論からね。80連射、技術的には問題なし。やれるよー》
“!!!”
ジュールは、小さくガッツポーズをした。
《ただし! 祈りの言葉は、正確に!! 少しでもズレたら、何が起こるか分からないわよ?》
“肝に銘じます”
大地母神は、ジュールの瞳を覗き込んだ。
《あとは……。条件、ね?》
“ご、ごくっ……”
《試射の時に、3柱が見学したいの。具現化するための、依り代を準備しておきなさい!!》
“?!”
ジュールはフリーズした。
“大地母神様……”
ジュールは、恐る恐る尋ねた。
“3柱と……仰いますと?”
《私。戦の神。知識の神》
“ふ、ふえっ?”
ジュールは、再びフリーズした。
“皆様……。なぜ、具現化を?”
《80連射の気合い弾の魔法。これを見たいのよ》
“!!!”




