理不尽vs理不尽 16
大地母神様とジュール。距離が近いです。
苦手な方は、ご注意を。
3.理不尽な魔法を、設計しよう。
《ジュール》
戦神神殿の癒しの間。分割回復魔法が、一区切りしたタイミング。大地母神が、神官戦士ジュールに声をかけてきた。
“大地母神様!!”
《詳細は、あとで。自室に戻ったら、呼びなさい》
“かしこまりました!!”
ジュールは、嬉しそうに頷いた。
魔術師バルナスと、神官戦士ジュールが借りている部屋。昼食前に、2人が部屋に駆け込んだ。
「大地母神様は、なんて?!」
バルナスが、勢い込んで尋ねた。
「これから、お伺いしますっ!!」
ジュールも、興奮している。
「よろしくっ!!」
「はいっ!!」
ジュールは、胸の前で手を組んだ。目を閉じる。心のなかで、大地母神に祈った。
“大地母神様!!”
《ジュール!!》
ジュールの頭の中に、一人の女性のイメージが飛び込んできた。その姿は、ジュールによく似ていた。
“わ、私?!”
ジュールは、目の前の女性を穴のあくほど見つめた。鏡に映った自分の姿……に見えるが、微妙に違うようだ。
《似てるでしょ?》
目の前の女性が、ニッコリ笑った。
“大地母神様なのですかっ?!”
《そうだよー。ジュールの姿……借りちゃった♡》
“!!!”
ジュールは、フリーズしている。
《安心して。少し年齢を重ねてあるから、貴女本人とは微妙に違うのよ?》
“安心できる要素なんて、どこにもありませんっ!! 恐れ多すぎますっっ!!”
《気にしないでー》
“困りますっ!!”
2人の脳内コントは……しばらく続いた。
“大地母神様……”
《なあにぃ?》
“私……。なぜ大地母神様に、抱きしめられて……いるのですか?”
《ジュール成分を、補給してるのよ》
“???”
ジュールの脳内では、現在のジュールが、お姉さんジュール(大地母神)に、抱きしめられていた。大地母神の手は、ジュールの背中を這い廻っている。
《黙って、補給させて?》
“よく……わかりません?”
《いいから♡ それとも、キスでもする?》
“き、キス?!”
ジュールの顔が、真っ赤になった。
“もしかして、私……生贄?”
「ん? ジュールの顔が……。真っ赤に?!」
バルナスは、祈りの姿勢のジュールの顔が、真っ赤になっているのに気付いた。
「大地母神様!! なにしてんですかっ?!」
大地母神には届かないのを承知で、思わず叫んでいた。バルナスのジリジリした時間は、しばらく続いた。




