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理不尽vs理不尽  作者: くらま
2.大地母神、走る。
14/39

理不尽vs理不尽 14

“知識の神(エスサフィン)への生贄を、戦の神(ノドレイ)が捕らえたのが……レムリカ渓谷、でしたね”

 大地母神(ニスシャ)は、嫌な符号の一致に、戦慄した。

“偶然は……ありえないですから……。この脳筋、なにを企んでます?!”


「睨むなよ。オレは、なんとなく、この戦場を出しただけだぜ?」

「そういうことに……しておきましょう……」




 しばらく戦場を眺めていた大地母神(ニスシャ)だが、戦の神(ノドレイ)の袖を軽く引いてみた。

「首が、疲れます。座ってもらえます?」

「いいぜっ!」

 戦の神(ノドレイ)が、ドカッと座った。


“この脳筋……。この姿勢からでも、オッパイに飛び込んでくるから、油断できないんですよね”

「で? 確認と、相談?」

「はい。まずは、確認なんですが……」

 大地母神(ニスシャ)は、ジュールから持ち掛けられた……冗談みたいな魔法運用についての説明を始めた。




「ちっとまて! 待ってくれっ!!」

 戦の神(ノドレイ)が、両手を開いて大地母神(ニスシャ)を止めた。


「話が細かすぎて、よく分からなくなった。サイズ1/20の気合い弾の魔法(フォース)。 それを、両手の指先に待機。ここまでは、いい。だけど、その先は……なんだ?」

「指は10本なので、10個余ります。余った10個は、指の第一関節の、外側に待機……です」

「なんで、そんなことを?」

「関節の外側は、弾のストックです」

 大地母神(ニスシャ)は、自分でも無茶なことを言っている自覚があった。




「ストックだ?」

 戦の神(ノドレイ)は、自分の右手を見た。人差し指の先端と、第一関節の外側に、1/20サイズの気合い弾の魔法(フォース)を浮かべる。


「指先から発射。関節は、ストック?」


「!!」

 戦の神(ノドレイ)の瞳に、理解の色が浮かんだ。


「撃ったそばから、指先に移動させて……。弾幕が途切れないようにするってか?!」

「そうです」

「しかも、4連射なんだよな? 1発分を1/20にして4連射するから……」

「80連射……ですね」




「狂ってやがる!! そんな運用したら、戦士(ファイター)が形無しじゃねぇかっ!!」

「そうなんですよぉ……」

 大地母神(ニスシャ)は、涙目だった。


「私(わたくし)……どうしたら?」

戦士(ファイター)殺し。そんな凶悪なシロモノを作ってしまって、良いものか……。大地母神(ニスシャ)は葛藤していた。




「やっちまえ!」

「ふえっ?」

 がしっ。戦の神(ノドレイ)が大地母神(ニスシャ)の肩を掴んだ。




「このヘンタイ運用、ジュールとかいう姉ちゃんしか、やれないんだろ?」

「そうですけど?」


「それなら、問題ない! 理不尽な魔法使いが一人、増えるだけだ」

「でも、戦士(ファイター)にとっては……」


「ほっとけ!!」

「はいい?!」

 大地母神(ニスシャ)の眼が、真ん丸に開かれた。


「戦士(ファイター)舐めんな! そのうち、なんとかするっ!!」

「本気で言ってます?!」


「あたりめぇだろっ!!」

 戦の神(ノドレイ)が吠えた。


“あはは……。この脳筋、面白ければ、なんでもアリ……ですか?”

 大地母神(ニスシャ)の肩から、力が抜けた。




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