理不尽vs理不尽 12
「あら?」
大地母神は、目を覚ました。幸い、悪夢は見なかったようだ。
「寝てしまうとは……」
苦笑しながら、立ち上がった。消耗していた気力と神力が、復活しているのが、わかった。
「とりあえず……。皮鎧ではなく、鎖帷子に……しましょうか?」
大地母神は、皮鎧から鎖帷子に着替えた。
“焼け石に水でしょうが……。私の気分が、違いますからね”
「ふうー」
大地母神は、深呼吸した。意識を飛ばし、戦の神の神域をノックした。
「戦の神。確認と、相談があります」
「ん? 大地母神か……。あいてるぜー」
大地母神の前には、格子になっていて向こう側が見える、金属製の柵が広がっていた。柵の中央には、両開きの大きな門があり、完全に開け放たれている。
門の上には「ヴァルハラ」と書かれた看板が掛けられていた。
大地母神は、ゆっくりと門を潜った。そこは……戦場だった。血しぶきと熱気と狂気が、周囲を包んでいる。同時に、悲鳴と雄叫びが、耳朶を打つ。
「よく来たな……」
見上げんばかりの大きな背中。筋肉ガチガチの偉丈夫が、戦場を睥睨しているのだ。長袖の鎧下の上に、金属鎧をつけ、右手には斧槍を持っている。
後ろから見る金属鎧は……傷1つ無かった。反対に、斧槍 は、ボロボロに使い込まれていた。
大地母神は、一歩前に出て、横から偉丈夫を見上げた。意志の強そうな瞳。鷲鼻。獰猛に歪められた口元。戦の神である。
「お!! 今日の姿は、一段とカワイイじゃねぇかっ!! 惚れるぜっ!!」
「ふふん。良いでしょう?」
大地母神は、胸をはった。鎖帷子で隠されてはいるが、綺麗な巨乳が視界の暴力となって、戦の神を襲う。
“カワイイ!! エロいっ!!”
“戦の神……。顔に出すぎです……”
大地母神の頬が、赤くなった。




