理不尽vs理不尽 11
大地母神は、自分の神域に戻ってきていた。大平原の中央に、仰向けで寝転がる。
「生きて……。戻れました……」
“とっても……。とっても……。怖かったぁ……”
大地母神にとっても、知識の神の神域は、人外大魔境なのだ。
「神々の大戦の時に、知識の神への生贄とされた……2柱の闇の女神の気配……。
あんなに、濃厚に残っているとは……」
“なぜか、商売の女神の……妙に甘い気配も……。
これ以上、深く考えては……いけませんね……”
ぶるるっ。大地母神は、自らの身体を両腕で抱きしめた。
「あと……。針のように細い短刀が、2振り。これみよがしに本棚の一番目立つところに展示してありました……。
あれ……どこから、どう見ても……魔剣ですよね?!」
“なんで、魔剣が? まさか……。あれって……”
「しばらく……。動けません……」
“いま寝てしまったら……。思いっきり、悪夢に苛まれそうです……”
大地母神は、草の上をゴロゴロ転がった。
「次は……。戦の神ですか……」
大地母神は、大きな溜息をついた。
「あの脳筋……。えっちなんですよね……」
“行きたくないなあ……。
あいつの神域……。ヴァルハラ……なんて、格好よく呼んでるけど……。ねぇ……”
昼間は、永遠の戦場。夜は、永遠の酒池肉林。大地母神でなくても、良識のある神であれば、訪問を躊躇う場所である。
「あそこの、戦乙女。戦の神以上に……えっちなんですよねぇ……」
“何度か……。本気で危なかったですし……”
大地母神は、草の上をゴロゴロ転がった。




