第3話 宝くじに当たる人はみな幸せか?
権力を握った人は本当に幸福だったの?
健二:「それは興味深い命題だね。
成功は報酬系の刺激による一時的な幸福に過ぎませんね。
それは、幸せホルモンが分泌されて快楽を感じますが、
その快楽は長くは続かないだね」
そうだ。オレも薄々気づいていた。
一時的な達成感は、すぐに薄れてしまう。
合格発表の瞬間、借金を少し返済できた喜び。
それは確かに甘美だが、すぐに次の不安が押し寄せてきた。
成功の先に、本当の幸福があるとは限らない。
むしろ、成功のオリに囚われ、心が空虚になる人も少なくないことを、
オレは知っている。
オレには幸せ巡りの霊的仲間が、もう一人いる。
それは、宝塚歌劇団出身のスピ女である。
スピ女は感性豊かに幸福を表現し、
直感的な気づきを促すアーティストである。
スピ乙女:「高額当選者のその後の人生には、人生が狂ってしまうケースがあるわ。
金銭感覚の麻痺、人間関係の崩壊、詐欺やトラブルのリスクが高まるのよね」
でも、人生が好転するケースもあるよな。
住宅ローンの完済や老後資金の確保など、将来の不安から解放されれば、
心にゆとりを持って暮らせるようになる。
また、銀行から配布される「高額当選者向けの冊子」などを参考に、
投資信託や教育費などに分けて計画的に活用する人も多い。
健二がささやく。
「宝くじに当たった人は、当たらなかった人に比べて、
長期的な人生の満足度が高まりやすいらしいよ。
宝くじの当選自体は大きな幸運だけど、それ自体が自動的に幸せな未来を
約束するわけではないね」
ワイズマンも口をはさむ。
「お金という強力なツールを手に入れた後、いかに冷静さを保ち、
日常の生活を大切にできるかが、運命の分かれ道となるんじゃよ」
スピ女:「じゃあ、霊的な視点ではどうかしら?
幸福は目に見えるものだけじゃないのよね。
魂の成長や、宇宙との調和が、もっと深い充足感をもたらすこともあるわ」
オレのオンボロ人生は、まさに目に見えないものを
探し求めてきた道のりかもしれない。
物質的な豊かさとは無縁の場所で、東洋思想や西洋哲学にふけり、
宇宙の法則に想いをはせてきた。
それは、形のない気の波動であり、目に見えない運気の流れでもある。
金運、仕事運。
これらもまた、単なる物質的な数字ではない。
心の状態やエネルギーの流れに深く関係しているのかな?
権力の象徴である皇居を前にして、オレは考える。
かつて、この場所で権力を握った人々は、本当に幸福だったのだろうか?
彼らは広大な領地と数多の家臣を手に入れたが、
その心は本当に自由だったのか?
さらなる権力を追い求め、孤独な戦いを続けていたのではないだろうか。




