第16話 巨大な権力の建物とちっぽけな自分
オンボロ人生に社会の不条理を感じるも、どこかで人の幸せと社会の改善を願っていく!
突然、空間全体に響き渡る「魂の声」がオレの耳に届いた。
魂の声:「個々の幸福は、社会という生命体の健康状態に深く根ざしている。
国家のシステムは、その生命体の骨格であり、血管だ。
そこに滞りがあれば、末端の細胞まで豊かさのエネルギーは届かない。
真の幸福は、個人と社会が調和した時に初めて花開くのだ」
オレがオンボロ人生の最中に、社会の不条理を感じながらも、
それでもどこかで社会の改善を願っていたのは、きっとこの
調和を無意識に求めていたからだろう。
国会議事堂の重々しい門を見上げると、その向こうに広がる権力と、
そこから生み出されるルールを想像する。
オレが経験してきた数々の困難、例えば身寄りのない者には、
賃貸アパートが借りられない。
また、資格があっても就職に採用されない。
孤独死のこともあり、このような孤立老人の生活問題も、
結局は社会システムによるところが大きい。
それは、目に見えない鎖のように、オレの自由を縛ってきた。
健二:「なんか、人生って、結局、社会のシステムで決められちゃう部分が多いね。
頑張っても報われないこととか、不公平だなって思うこととか…。
そんな中で、どうやって自分だけの幸せを見つければいいんすか?
この巨大な建物を見ていると、個人の存在がちっぽけに感じてくるね」
彼の問いは、オレが長年抱えてきた問いそのものだった。
努力が必ず報われるとは限らない現実。
生まれ持った環境や社会的な構造が、
個人の可能性を縛ることもある。
しかし、その無力感に苛まれながらも、
オレはわずかな希望の光を探し続けてきた。
すると、ワイズマンの霊の目が光った。
その温かい眼差しで健二を見つめて語りかけた。
ワイズマン:「社会のシステムは確かに大きな力を持つ。
しかし、それ以上に、個人が持つ内なる力もまた強大だ。
ワシは、貧しい昭和の厳しい時代を生き抜いてきた。
社会の波に翻弄されながらも、小さなコミュニティでの助け合い、
そして心の平静を保つことで、幸福を見出してきたものじゃ。
社会を変えることは難しくとも、自らの心を律し、
小さな善行を積み重ねることはできる。
その一つ一つが、やがて大きなうねりとなるのじゃ」
スピ乙女:「日頃から良い行いを積み重ねている家には、その報いとして
必ず子孫にまで幸福が訪れるわ」




