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君と世界
シルヴァントを見ていると、わかったことがある。
「シルヴァントは今日も見学みたいだね」
「あの魔力量の相手が出来る人なんて、君くらいだよ。それに、あれは俺やイグニールがいての話だったでしょ」
机の上に丸まった小さいトカゲのような生き物をチラリと見つめ、ダグラスは言った。
このトカゲも、赤の六天竜の仮の姿だ。
六天竜とは元素そのもので、神のようなものだと言われている。
だから決して、人と誓約することはないと思われていた。
「ノイジュヴァーン、だっけ。黒の六天竜」
「そうじゃ。特に白と黒の魔力は希少なもんで、四大元素とはまた違ったものじゃな」
「へー」
「そういえば、白の六天竜っているの?白の眷属って見た事ないかも」
その言葉に、イグニールはその小さな頭を上げた。
「あやつは消えた。400年くらい前にな」
「消えた?」
「まぁ、人の子の歴史じゃから聞く機会はあるじゃろ。今は消えたことだけしっとればいい」
そう言うと、イグニールは頭を腹に乗せると、スースーと息を立てた。
リーゼロッテの眼下には、足を畳むように座り、授業を受けるクラスメイトを見つめるシルヴァントがいた。
その背後には、長身の黒い男がいる。
今日も変わらない風景に、なんとなく欠けた気持ちを持て余した。




