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26/35

第一次予選、終盤


 それからの戦いは順調に進んだ。


 二戦目はメンバーを入れ替え、メイ、フェリス、シャナで戦った。相手のモンスターがFランク3体だったこともあり、メイとフェリスの火力で押し切り勝利。


 三戦目はリリィ、シャナと一度も使ったことのない木の精霊であるドリュアスを使用してみる。

 相手はF、F-、F-という記念参加のような相手だった。ちょうど良いのでE+ランクのドリュアスの使用感を試してみる事にしたのだ。ドリュアスはつるを鞭として殴ったり、拘束したりするのが得意な様だった。勝負はあっさり決まり、ドリュアスによって締め殺された一体と、拘束されている隙を突いて撃破された二体によって、こちらの勝ちが確定した。


 次いで、四戦目、五戦目、六戦目、七戦目も主力二対と普段使わない一体を駆使し、全戦全勝を収めた。


 

 得た結果としては、ドリュアスや狛犬が良かったという事。


 が、六戦目。どうやらケット・シーとフェリスの相性が悪いらしく、ケット・シーの能力自体は問題ないが、相性的な観点から不和を起こす事を懸念し、使うのは難しいと判断した。フェリスがやたらと戦闘中不機嫌で、ケット・シーに対する当たりが強かったからだ。縄張り的なものか? まあ、違いはあるといえど戦闘スタイルも似てるし、下手に使うと、フェリスの代役、もしくは入れ替わり用として使っているとも思われかねない。


 それと同様なのか、モルモー、冥界の女神ヘカテーにエンプーサと共に使える女性の姿の吸血鬼はリリィと喧嘩を起こした。誰にだって犬猿の仲という相手は居ても良いと思うけど、吸血鬼同士仲良くできるのではないかと思ったのだが……当てが外れたらしい。盛大に口喧嘩を始めてしまい、対戦相手が若干戸惑っていた。それで勝ってしまったのだから、相手に申し訳ない。



 最後に、マンドラゴラである。

 酷かった。実に、酷かった。まず、植物系のモンスターである以上、自発的に行動することが出来ないのである。仕方ないので、自ら引っこ抜いたのだが、このモンスター、味方をも巻き込む攻撃を使い、叫び声によって味方のモンスターと相手のモンスターを全員まとめて錯乱状態にしたのである。


 幸い、マスターである以上、自分だけ問題はなかったが、相手マスターは倒れ、モンスターらは耳を抑えて膝を付いている状態だ。


 すぐにマンドラゴラを地面に投げつけて、踏み付け自分で倒したが、その後の戦いはめちゃくちゃになり、危うく負けるかとさえ思ってしまった。



 ある程度情報を集めていたとはいえ絶対に、事前テストをしておけば良かったと現在進行形で後悔している。使えれば強力だが、扱いには深い注意が必要と書かれていた理由が分かった。注意が必要な理由を合わせて詳しく書いておいてくれと記事を恨んだ。


 

 予選だと舐めていたが、一応これも本番なのだと今更思う。

 何にせよ、次は一次予選最後の相手だ。全力で行こう。



「っと」

 

 門を歩いてくぐり抜けた瞬間、踏み締める地面の感触が変わる。


 スタジアムに入る。

 八戦目の相手を確認する為、俺はスタジアム横の巨大なスクリーンを見た。


『相沢 颯太 対 河合 渚』


 対戦相手の名前は分かっていたが、顔を見るのは初めてだ。

 そして、顔写真に映される顔には見覚えがあった。


「君か」

「それアタシのセリフ」


 あの時ちょっと会話した少女だ。


「順調に勝ってるみたいだね」

「勿論、お兄さんにも勝たせてもらうよ」

「それこそこっちのセリフだ」


 そう言って、画面を見た。

 刻一刻と減っていくカウントダウンの数字。


 やがて、0になり、大きな音で笛が吹かれた。



『ピーーー』




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