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ミーガンを預けるついでに、ネッドと話をし、私の推理に確信が得られた。恐らく、
1、モーガンがどこかの男娼と懇ろの仲となり、居心地の悪いイエーツ家を出ることを考えた。
2、そのための資金として、自分の偽装誘拐を行い、その手配を、男娼のいる娼家に頼んだ。(もしくは、娼家の方から持ちかけた話かも。どっちだっていい。モーガンたら、ホントお馬鹿さんなんだから。)
3、ところがイエーツ家ではとっくにモーガンを見限っており、モーガンのために身代金を出すつもりなど全くなかった。
4、唯一ミュリエルだけが、モーガンの身を案じて、親が止めるのも聞かず、助けるために奔走した。(一途な子ね。)
5、カスティーヨに乗り込んだミュリエルを娼家の奴らが、とっ捕まえた。モーガンじゃ金にならないけれど、ミュリエルなら身代金が取れるかも、と考えてのことでしょうね。で、いらなくなったモーガンは消されたと。
問題なのは、親の言いつけをきかないミュリエルを、イエーツ伯爵は見限ってるということ。すでに新たな養子縁組を結ぶ手配をしてるし、ミュリエルを探しているそぶりもない。身代金の手配に奔走しているという話も聞かない。そんな動きをしていれば、妹ちゃんが聞き逃すはずがない。
ミュリエルが捕まってもうすぐ一週間、金にならないとなったら、どんな目にあうかわからない。それでなくともいらなくなったモーガンは早々に処分している。ミュリエルを早いとこ探さないと。
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馬車をカスティーヨの通りにつける。御者台に座っていたテオが馬車に乗り込んできた。
「要領はわかってるわよね。」
そう言うと、テオが頷いて、消えた。足元に、今までテオが着ていた服が、パサッと落ちる。服の間から可愛い目をしたハツカネズミを拾うと、胸のポケットに忍び込ませる。
そのまま馬車を降りて、店に乗り込んだ。時間が勝負。テオがこの姿でいられる時間は長くない。時間切れになる前に、先に馬車に戻るように指示してある。
店内は、安い娼家によくある作りだ。入るった最初の部屋に五人ばかり男の子が並んで座っている。どの子も成人前にしか見えない。表情が抜けた顔が並んでいる。こういう趣味じゃないんだけど。
部屋の隅には、目立たぬように取り仕切っている案内人が立っている。その痩ぎすの黒服の男に声をかけた。
「もう少しがっしりしたのが好みなんだけど。」
と、いうと、ああ、と言う顔をして、返事をする。
「2階に三人ばかりいます。一番手前はもう客がついてるんで、奥の二人に声かけてみてください。客がいない時にはドア空いてるんで、見てお好きな方を。うちは前払いです。時間になったら、こっちがノックしますんで。」
黒服に銀貨2枚握らせる。そのまま2階に向かった。
一番目の部屋の前で、靴紐を直すフリをしてかがみ込むと、ねずみがポケットから滑り降りた。あと15分ってとこだろう。
2番目のドアから顔を覗かせると、痩せてはいるけれど、しっかりした眼差しの青年が微笑んだ。
ま、いいでしょ。
私は後ろ手にドアを閉めた。
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きっかり1時間で追い出されたので、馬車に戻ると、テオはすでに着替えを済ませて待っていた。
首を横に振る。
だめか。
「時間がなくて見落としてたってことは?」
「確かに全部見れたか自信はないですけど、あそこじゃないと思いますよ。裏方の男たちがのんびりしてる。人質がどっかにいるっていう雰囲気じゃないっすね。」
仕方ない。明日仕切り直してもう一件に行ってみよう。ジリジリするけれど、こんな狭いところで一晩に2箇所を訪れて、疑われるわけにもいかない。
「戻ろう。」
そう言うと、テオが頷いて、御者台に向かった。




