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世界を作るモノ

「わ、この子がルナちゃんなのです?」


「ああ、そうだ。こうしてこっち側に来るのは初めて見たけどな」


「ジェイドは久しぶり。リィズさんは、初めまして、かな」


ルナがぺこりと頭を下げながら挨拶する。


「ご丁寧にあの人は遮音の魔法もかけていってくれたので、さっさと話してしまおうと思うんだけど、いいかな」


二人は頷いて答える。


「ありがとう。本題から先に言ってしまうと、私の魔法は『世界を作ること』そのものなの。ジェイドは何回か来たことあるけど、あの世界が全部私の魔法。作られるものも、起こることもほとんど思い通りにできる。ある程度はね。二人にも聞こえるように声が届いていたのは私の作った世界から声を飛ばせるようにこっちで調整したから。他の人には聞こえないのもそういう理由」


「世界を、作る…」


「そう。普通はあり得ない魔法だと思う。世界の創造に憧れる人なんていないから。皆が望むのはせいぜいが誰かが起こす変革とか、自分にとって都合のいい改変。でも、私はそういう想いの集合体。『何かが変わってほしい』『何かを変えたい』『誰かが変えてくれないか』そんな想いが集まってできた魔法が私。自分の中で世界を構築してそれを現実に作用させる。イメージの具現化もできるし、広大な土地を生成することだってできる。でも、私は人間じゃないからそれをこの世界に持ち込むことは出来ないみたい。作ったモノじゃなければギリギリ何とかならなくもないんだけどね」


「作ったモノ以外、なのですか」


「そう。例えばこの姿。これはジェイドのお父さん、リベルタの時からずっとこの姿でいるし、こっちでイメージされている姿がこの姿だったからこっちでも使えるんだ。でも、向こうで作った人形とかはそっちには持ち込めない。共通でイメージされていないし、そういう魔法のルールだから。」


「俺はそっちの世界でルナの作ったモノを見たことがあるけど、それをイメージしたとしてもダメなのか?」


「それもダメ。こっちの世界における物質の存在条件を満たさないから」


「存在条件?」


「本来絶対に存在しないはずの私が作ったモノは存在し得ない。私が存在できるのは想像の中か私の作った世界の中だけになる、ってこと。簡単に言うとね」


「俺の持ってるこれはどうなるんだ?」


ジェイドが普段身に着けている耳飾りを指さして言う。


「それは元々この世界にあったものを私とのアクセス用に作り替えたものだから大丈夫。逆に言えば、私の世界でそれを作ってもそれは持ち込めないってこと」


「なるほど…?正直まだ理解が追い付いてなんだが」


「世界を作るってことは、例えばルナちゃんの世界にはもう一人の私達が居たりするってことなのですか?」


「私は生物を作れない。そういう魔法なんだ。これまで私に願われた中に『人間を作りたいです』『動物を作成したいです』なんてものはほぼ無かったからね」


「そうなのですか…少し安心したのです」


「安心?なんでだ?」


「もしもう一人いて、向こうの私が私より上手く人付き合い出来てたりしたらなかなか悲しくなると思うのです。向こうのジェイドがリーダーシップ発揮しまくってカリスマ性抜群のリーダーしてたらちょっとジェイドも凹むと思うのですよ」


「なるほど今の俺はそうじゃないってことか…」


「ルナちゃんの世界に行き続けて、しかもそこで死に続けてた人がリーダーシップが合うかと言われたら私の贔屓目を込みにしても言えないという判定が出るのです」


「うーん、まあ、確かに…無いなぁ」


「でも、もしそんなジェイドが居たとしても私は今のジェイドを選ぶと思うのですよ」


「そりゃまたなんで。どう考えても仮想俺の方が良い男してると思うんだが」


「私が好きになったのは上に立って命令してるジェイドじゃなくて、自分で行動して解決しようと頑張ってくれて、でも最善の策ばかりを選ぶことができない不器用なところもある、そんなジェイドだからなのです」


「リィズさんも中々語る人だね」


「俺自身驚いてるしちょっと恥ずかしいからルナが話を続けてくれ」


「こういう時に照れ屋なのはリルを思い出すなぁ。まあ、言いたいことは大体言ったからさいごに一つ。あの人、ヴェールには気を付けて。彼女自身が魔法だからすごくわかりづらいけど、何か魔法がかかってる。彼女本人も恐らく気付いてないし、何が起きても大丈夫なようにしておいて」


「ヴェール自身が気付かないほど巧妙に隠された魔法ってことか…わかった、ありがとう」


「またいつでもこっち来ていいからね。今度はリィズさんにも来てほしいかな」


「わかったのです。ジェイドと一緒にお邪魔させてもらうとするのです」


「うん、待ってるね!」


最後に笑顔でそう答えた瞬間、辺りが眩しく光り輝く。次の瞬間にはルナの姿は無くなっていた。


久々にちゃんとしたペースでの投稿です!

ついでに、今日は著者の誕生日だったりします。やったね!

ルナの存在についても一部から全く話してこなかったので、やっと伏線が一つ(完全にではありませんが)回収されました…

この調子でどんどん進めていきたいところです。お付き合い頂ければ幸いです。

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