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明日の為に

宿に帰るとジェイドの部屋にはリムがおり。

「説明を」

と一言。

殺気溢れる部屋でさっきの出来事を説明した。

「……まあ、酷いことを言っていなくて安心しました。実際はもう聞いていましたが」

「だよな。リムなら聞こえると思ったよ」

「ええ。聴覚の強化に魔法を回せばあの場でも足音で人を判断するくらいはできます。ですが、貴方が私に嘘をつかなくてよかった。もしそうなっていたら私は貴方を信じられませんから」

「あの状況で言った言葉をリピートするのは大概恥ずかしいけどな!」

「……失礼」

さっ、と窓からリムが出て行ってしまう。

少しして、コンコンとドアが叩かれる。

「あの、入っても、いいのですか?」

ドアの向こうからはリィズの声がした。

「ああ、入ってくれ」

普段よく見る戦闘用の軽装ではない、プライベートの私服でリィズはジェイドの部屋を訪れていた。

「お邪魔します…なのです」

はにかみながら部屋に入ってくる彼女の手元には、ウェーデルの観光パンフレットが握られていた。

「せっかくのお出かけなので、ちゃんと計画を立ててからいきたいのです!とりあえず、めぼしいところはチェックしておいたのでどこにするか相談したいのです!」

「お、おおう…」

いつもよりグイグイくるリィズにジェイドは驚きを隠せない

「まずここなんですが、このルートで行くと丁度良い具合に夜景が楽しめるみたいで、今ならこのお店が……その、カップル割引、をしてるみたいで…」

後半になるにつれて話すスピードも声の大きさも弱弱しくなっていくが、話を聞いていくにつれてジェイドは何か違和感を感じてきた。

「………リィズ、これ、どこスタートだ?」

そう、彼女は夕方から夜にかけてのルートを考案してくれている。だが、そのルートのスタート地点が言われていないのだ。

「どこも何も、どこからでも行けるようにこの街の道はすべて把握済みなのです!それに、恐らくヴェールさんの講習を終えてからになるので彼女の気まぐれで場所も変わるんでしょうしスタート地点をここと決めないほうが良いかと思ったのです!」

「全部、覚えたのか…かなり広いぞこの国」

「小さな脇道も多くてちょっと苦労したのですが何とかしました!」

ここまで楽しみにしてもらえるとは正直ジェイドは考えていなかったし、この短時間で覚えきるのはどういう記憶力なんだと驚愕する。

同時に、この期待には絶対に応えなければならない、とも思う。

「じゃあ、とりあえずはこのルートが良いかな。大通りに近いからどのあたりに居てもこの道に出やすいし、夜景も見てみたいし…どうだろ」

「ふむふむ、了解したのです!そのルートで行くのです!」

言うと同時に大きく地図に丸を付けて、『あまり遅くまで起きていると明日に響くので今日は部屋に戻るのです!お邪魔したのです!』と言い残してリィズは風のように去って行った。

「……俺も気合い入れないとな」

「当たり前です。流石にお出かけを覗き見するような真似はしないですが、きちんと頼みますよ」

「俺の部屋には常に俺以外が居るのか…」

「言ってる場合ですか。本当に、頼みましたよ」

気配も感じないまま後ろの方からかけられた声に返事をしながら、明日の授業は少しでも早く終わらせられるようにと気合を入れた。


短い!&遅い!

ユルシテ…ユルシテ…

なんとも酷い更新速度ですが、決して書くのをやめているわけではありませんので、長い目でお待ちいただければと思います。

もう少し仕事が落ち着いてくれればかける量も増えるんですがね…

どうでもいいかもしれませんが近況報告としては雪が降り始めました。

雪です。12月だなぁと感心しております。

雪に負けずに頑張っていかなければ、ってところで今回はここまで。

また次回!

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