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人災派遣TRPGリプレイ  作者: 紫電改
第二話:『その声を守るため』
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第二話:『その声を守るため』07

●第四ラウンド 護衛班


カヤカ:さて、出番だ。

天美:「ストーカーの身元がわかったとはいえ、実動部隊は個別に動いていますからね。私達は警護を続けましょう」

カヤカ:「身柄も確保できてないし、出来たとしても止まるかどうか怪しいもんだ」

GM:君たちはひなたと一緒に、秋葉原から新宿へ。某大手コメント付き動画配信サイトの本社があるビルにやってきた。

秀史:笑顔があふれる動画だな(笑)。

GM:ちなみにサービス名はスマイル動画という(笑)。

カヤカ:ユーパイプにスマイル動画(笑)。

GM:ついでにこの世界の大手ネット通販サイトはFORESTといいます(どうでもいい)。

天美:どこかのシナリオで登場しているかもしれませんね!(笑)

GM:スタジオ入りしたひなたは、音響機器に囲まれた小部屋、いわゆるラジオの収録ブースに入っていく。

天美:今回もイベント待ちしつつ、事前の現場調査は怠らず、仕事できる感を出しておきます。フレーバーで(笑)。

GM:通常のラジオのブースとは異なり、撮影用のカメラが取り付けられている。いわゆるライブ配信だね。

カヤカ:「ネットラジオ、っていうか生放送?収録じゃないってことは、誤魔化しが効かないってことだよな」

天美:「事前にしかけるタイプのトラップはなさそうね」

GM:このラジオ番組は『高千穂ひなたのおひさまナイト』。彼女が初めて持った彼女自身の番組だ。

天美:おひさまなのにナイト。

カヤカ:昼なのか夜なのか(笑)。



 カヤカと天美が見守る中、番組はつつがなく進行していく。

 「はい!それでは今夜も始まりました、高千穂ひなたのおひさまナイト。暗い夜も、ひなたのパワーで明るく照らしちゃいます!」

 「それではさっそく、今日のお便り――」



秀史:「ペンネーム『アシスタントが怖い大学生アルバイト』さんから!」

GM:「最近アシスタントが仕事できるようになってきて、職場内で自分の扱いがどんどん軽くなっているような気がしています。どうしたらよいでしょうか?」

天美:「頑張っていれば、きっと見てくれてる人はいますよ!」みたいなポジティブなアンサーなんだろう(笑)。

GM:ラジオの様子はカメラで中継され、ライブ映像としてネット上で流れている。視聴者がそれにコメントを付け、ひなたもそれをライブで確認できる、という状態だね。

カヤカ:画面外からコメントが流れるのを見て、おー、とか感心していよう。

GM:――さて、ここで護衛班の皆様にちょっとしたお知らせがあります。

カヤカ:おや。

天美:いいお知らせではないんでしょうねえ。

GM:ただいま新宿のビルの15階のスタジオで収録しているのですが、窓ごしに、隣のビルの屋上からなにやらチラチラとし不自然な明かりが見える。

天美:もー、生放送中なのにぃ。

カヤカ:狙撃じゃねえよなあ!?

秀史:マズルフラッシュ、はクロスボウだからないと思うが。

チシャ猫:んー、なんか誘いくさいにゃー。

天美:見つからないのがモットーだってこと忘れてませんか、彼ら?

GM:一応、すげぇ風が強いけど、非常階段から外に出ることはできる。お二方、どうします?

カヤカ:オレには外に出てもどうこう出来る手段はないから、ここに残るしかない。

天美:窓の外に出て防ぐか、部屋で待機するか、ということですね。

秀史:窓が割れると大騒ぎになるから、外で防いでほしいところだが。

カヤカ:光が見える位置からひなたさんまで射線が通るのはそこだけ?

GM:はい。光源、ベランダの窓、ひなた、が直線上に揃っています。

カヤカ:くっそー、挑発くせえ。

天美:「私が出るわ。カヤカ君は、中で万一に備えてちょうだい」ステ的にはカヤカ君ですが、ここは先輩の威厳ということで。

カヤカ:「大丈夫かよ天美サン」

天美:「私の『盾』の方が対応はしやすいですからね」

カヤカ:「……ウッス。んじゃ、中に居ます」

チシャ猫:「中はカヤカに任せるんだにゃ」

カヤカ:「ん。こっちまで来ねえことを祈る」


 ロックを外し、屋外に取り付けられた非常階段に出た天美。


GM:君が外に出ると、ビルの外壁にぽつんと赤い点が浮いていて、チラチラと動いている。

天美:……レーザーポインターですか。

GM:君の登場に合わせるように、赤いポイントはするすると移動し、やがてガラス向こうのひなたの頭部でぴたりと止まった。

秀史:目に当たって失明したらどうするんだ。

カヤカ:カメラに映らない範囲で移動し、射線に割って入ります。

天美:懐の小瓶を取り出し、妖精を呼び出して準備します。『柳沢天美が命ず、不可視の盾をこれへ!』


 迎撃に備える一同。しかし……。


GM:「はーい、以上、今週のふつおたコーナーでした。って、え……」ひなたは小さく息を呑む。

カヤカ:しーっ。と目で合図して、『大丈夫』のジェスチャーをします。

GM:いや、彼女は君のアシストにも、レーザーポインタで狙われていることすらも気づいていない。もっと直近でショッキングな事態が起こっている。

カヤカ:お、おう!?

チシャ猫:こっちは囮だったかにゃ!?

GM:生放送で流れているコメントが、急に悪意あるものに変化し、大量に流れ始めた。いずれも文字にするのは憚られるような、彼女を誹謗中傷する下品な悪罵だね。

チシャ猫:チシャ猫も対抗するにゃ!

天美:猫さん!

カヤカ:頼む。これはオレじゃ対応できねえから……。

チシャ猫:うんこのAAを流すにゃ!(爆笑)

カヤカ:おおおおい!?

秀史:対抗するんじゃねー!(笑)

チシャ猫:画面いっぱいを一瞬使う上になごむですにゃん?

カヤカ:だとしてももっと別のAAありませんでした!?(笑)

チシャ猫:まぁ手番が終わってるんで何も出来ないのですよね(苦笑)。

天美:フレーバーで仕事してることにしておいてください(苦笑)。

チシャ猫:「管理者権限もらってアカウントブロックはしてるけど、これ多すぎにゃよ?」

GM:そして天美に届くオープン回線。「ギギッ。あんたはハズレだ、お嬢ちゃん。――ま、ハズレと思ってても動かなきゃいかんところがつらいよなぁ?」

カヤカ:「インカム割り込みの多い日だぜ、オイ」

秀史:そうなんだよな。囮かもしれないとは思っていたが、どの道対処しなきゃいけないから黙っていた。

天美:「あら、ご心配なく。頼れる相方が後を守っていますから」

GM:ぶっちゃけ無視していたらクロスボウで窓ガラスが割られていました。ということで★護衛3にチャレンジだ!



★護衛3 『ネットスラングの嵐、隣のビルからの狙撃』


『護衛』に参加しているメンバーのみ挑戦可能。

『ネットスラング』、『狙撃』両方同時に対処が必要。


『ネットスラング』


達成値:5

目標値:

 アウトサイダー:5 こちらもネットスラングで軽快に切り返し

 ネゴシエイター:5 スラングを無視し通常進行

 ハッカー:5 ネットスラングを遮断

 他:7

 1ターン内に達成値を上回らないと失敗となる

 


『狙撃』


 ビルからの狙撃に対応せよ。

 指定攻撃に対する『ガード』もしくは『回避』



カヤカ:ふ、ふふふふ!?使える職能が『その他』しかねえ!!

チシャ猫:となってるにゃあ。

カヤカ:これで35!……しゃーない、やるか……!

秀史:ここはアドヴァイスとLPでごり押せ!

カヤカ:足りなかったら副動作で『高速処理』してもっかいだ!

天美:私は狙撃に対応します。手番の扱いはどのように?

GM:手番を消費しての通常の防御判定扱いとなります。 ただし、2発飛んできます!

天美:では、私から判定したいです。カヤカくんが成功して私が失敗するととてもかっこ悪いので(笑)。

GM:了解。それでは対面のビルから、夜風を割いてクロスボウが飛んでくる。種別は当然ながら『投射』。一発目は(ころころ)28。

天美:うーん、とりあえず回避……(ころころ)あれっ、クリティカルして24!

秀史:すげー!

天美:LPを使って(ころころ)1、もいっこ(ころころ)4。合計29で回避!

GM:うへぇ、まさか避けられるとは。君は華麗に飛来するボウガンを回避。

天美:不可視の盾が矢の軌道を曲げてあらぬ方向へ。

GM:外れた矢は非常階段に当たり、甲高い音を立てる。……そして第一の矢の影を這うように放たれていた第二矢!(ころころ)今度はこちらがクリティカルで35!

天美:引き続き回避(ころころ)……あれぇ、4(爆笑)。

秀史:ひどい(笑)。

天美:ま、まあ、駄馬に良馬を当てたということで。完全失敗、追加ダメージ3Dです。

GM:まずは通常ダメージ(ころころ)28。

カヤカ:よし、ダイス数からしたら低いっ!

天美:今度はフレーバーじゃなく『斥力障壁』! EP2、SP3消費で(ころころ)27、自分の物理GPを加えて完全防御!

GM:続いて、毒の1Dと追加ダメージの3Dが(ころころ)10。

天美:これは普通に入ります。残りHP31点。

秀史:向こうもアサシネート持ちか……。とことん構成被っているな。

天美:そして露出判定(ころころ)。『露見』でさらにEP1点蓄積です。

GM:『ギギッ、警告を無視した代償は高くついたな?』

天美:「あら、想定よりお買い得でびっくりしました」

GM:そして、君の追跡を待たず、『リリパット』は姿を消す。

天美:「こっちは食い止めたわ! カヤカ君、猫さん、お願い!」


 『リリパット』の狙撃を見事防ぎきった天美。

 だがその代償として、残されたカヤカはほぼ独力で事態を解決しなければならない。


カヤカ:うっし!……つっても使えるのは『その他』だけなんだよな。

秀史:「荒らしコメがすごいことになっているな」、とスマホで見ながら。

チシャ猫:『アドヴァイス』飛ばすにゃー。『偽情報』で抑えてPP1点消費。

GM:ちなみにこれはチシャさんが護衛に回ったときメインイベントになる予定でした(笑)。

チシャ猫:絶対護衛には回らなかったと思う(笑)。

カヤカ:EP3点とPP3点でダイス追加。判定はまたも『マニピュレーター』!

秀史:ということは手動でコメを打ち込んで対抗か?

カヤカ:アナログ手段ーーーッ!!!

チシャ猫:(爆笑)

カヤカ:もっと接続サーバー切り替えるとか……。いや、そんな器用なことはできない子でした。

天美:カヤカの ものすごい ブラインドタッチ

GM:カタカタカタッターーン!

天美:急にカヤカの目と目の間がくっついているような気がしてきました(笑)。

GM:荒らしコメントですが、具体的には、実態のない仮想アカウントが多数ログインし、無作為に中傷コメントを生成して吐き出していると思ってください。

チシャ猫:ではこちらは、それらのアカウントを裏で片っ端から垢バンしてるし回線すら止めてるけど防ぎきれない。「準備されてる分後手後手なんだにゃー」

カヤカ:『マニピュレーター』で振ります。(ころころ)……26!あと9、よし、LPで行ける!

天美:9をLPでいけるって言っちゃう新人怖い。

GM:……いちおう全部護衛しきれなくてもええんですが。

カヤカ:それは嫌な予感がしますので。

チシャ猫:『グレムリン』にドヤ顔されたくないので。

カヤカ:2LP投入(ころころ)……7!

チシャ猫:惜しい!

カヤカ:……も、もう1点……。あれだけプロ顔しといて失敗とか無いわ! 更にLP振り足し!(ころころ)合計36点で突破!

一同:お見事!

カヤカ:消費リソースPP3点、EP3点、LP3点!痛い……!

秀史:「なんと……ハッカーの用意したプログラムにキーボード入力で対抗している……!」

GM:お見事!それでは、君は音声通話でチシャ猫さんやCCCスタッフのバックアップから指示を受けつつ、ロックされて手が出せないサーバーを回避。ライブ配信しているPC側から猛然と手動でスクリプトコードを打ち込んでゆく!

カヤカ:「音ゲーやってるよりは楽だ!!」

秀史:「サーバ切替まであと40秒!」

GM:ロックをこじ開けるスクリプトを叩きこむが、間に合わない……と思ったところで。

カヤカ:「やっばい指攣る指攣る!!」

天美:「頑張って! プロなんでしょ!」

チシャ猫:「音ゲーは時間が決まってるからにゃー」

GM:根性の高速連打でギリギリ打ち込みきった!!

カヤカ:「っしゃおらァ!!」

天美:カタタッターーンッ!

GM:スクリプトがロックをこじ開け、防壁が起動。偽アカウントの群れは動画から蹴り出される。あとは、ネット上で待ち構えていた猫さんの餌食だ。

天美:おやつのじかんですよー。

秀史:「リリース入ります!3、2、1、リリース完了!画面問題ありません!ラグ無く動いてます!」

カヤカ:「……ノーミスフルコンボ……!」


 実際の時間にすれば数分程度。

 画面を埋め尽くした中傷コメントは、ピタリと止まった。

 「……えー、なんかいたずらコメントがでてきたみたいです。でもスタッフさんが止めてくれたみたいです。こわいですねー。……ええ。はい。それでは次のコーナーいってみましょう、『今日のひなたピックアップ』。このコーナーは……」 


カヤカ:「腕と指がいってぇ……。やっぱりオレが外行けばよかった」

天美:「何言ってるの。よくやってくれたわ。私が中だったら、こうはうまくいかなかったもの」

GM:では、BANしたはずのアカウントから、最後に一言だけコメント。『チェッ マアイイヤ マダキカイハアル』

天美:「懲りない連中ね。同じ妖精でも、私の子達に比べて可愛げのないこと」

チシャ猫:『にゃはははは、まさかこの猫様じゃなくてバックアップありとはいえ音ゲーマーにタイピングで負けるとか超かっこ悪いんだにゃ!?』ここぞとばかりにコメントを送りつけてやるんだにゃー。

秀史:「失敗したイタズラほど惨めなものもないな」

GM:『グレムリン』には間違いなく届いただろう。だが、回答はなく沈黙があるのみだ。

チシャ猫:「ま、実際は痛み分けだしにゃー」


 ……その後、ラジオの収録はつつがなく終わった。

 生放送終了後、録画もネットにアップロードされるのだが、悪意あるコメントの群れは「よくある無作為なイタズラ」として視聴者に受け取られ大して気に留められることもなく、ひなたの風評にも影響をおよぼすことはなかった。



カヤカ:活躍するたびにカヤカの面白場面が増えていくような気がしています(笑)。

秀史:多芸すぎて武術家だということを忘れそうだ(笑)。

チシャ猫:むしろ武術家としての活躍が……。

カヤカ:しーっ!しーっ!

天美:「偶然だけど、適材適所だったわねー」

カヤカ:「オレもうやんねえから。こういうのやんねえから!」

秀史:「この調子で頑張れ」

カヤカ:「オレ!!フォワードなんだけど!!!」

GM:ってところで、第三Rは終了です!!

天美:あ、ここで副動作を消費して『治療』しておきます。(ころころ)全快です!

秀史:よしよし。

カヤカ:これで問題なし!

チシャ猫:カヤカの財布と、天美の露出以外はにゃー(笑)。

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