39回転目
「バイクのある場所に行こう!直ぐ取り返さないと!!」
「ちょっと待ちなさいって、そもそも何でこんな所に居て、何でバイクを取られたのか聞いてないわよ?」
「あーえっと」
「とりあえず一旦大通りに出ましょ。喫茶店にでも入って少しゆっくりしたいのよ」
キャシーに案内されるままに付いていき、落ち着いた雰囲気の喫茶店へ入る。
「おや、キャシーちゃん。久しぶり」
「マスターお久しぶりです。サンドイッチセットとコーヒーを2人前お願いします」
「はいよ」
喫茶店に入るなりキャシーは店のマスターっぽい人と話してさっさと注文してからカウンターに座った。
というか狭いな。カウンター6席、テーブル2つ……個人経営っぽいからこんなもんか?
一先ずキャシーの隣に座る。
食事を待ちながらキャシーと分かれた後の事を話す。
露天を冷やかして回った事、路地裏に進んでストリートファイトの観戦をした事、アッピオに誘われて参戦した事、試合のラストで意識が飛んだ事。
話し終える頃には注文していた物も来て、食事をしながら今後について話す。
「取りあえず此処を出たらバイクを取り返しに行きましょう」
「分かった、でも誰が今持ってるんだ?」
「さあ?まあ行ったら分かるでしょ。取り戻したら買い物の続きよ」
「え?終わってるんじゃ……」
「あのね、流石に重たい物は後回しにしたわよ。ハルキを連れて来たのはそういう物を持って貰おうと思ってたのもあるんだから」
しっかりと睨まれた後、食事を終えて喫茶店を出る。
キャシーの案内で道を進んでいくと、そこにあったのはネオンで主張の激しい光る看板がかかった酒場。
中に入るとストリッパーやごろつき、やばそうな奴がタバコや酒を楽しんでいる。
そんな荒くれ者達の中をずんずん進んでいくと知った顔があった。
アッピオだ。
こちらに気づいていないのかやたらとテンション高めで対面に座っている男と騒いでる。
そしてその手に握ってるのは間違いなく俺がキャシーから預かったバイク。キャシーの目の前に浮かんでいるウィンドウにも赤い点が目の前に表示されてる。
アッピオの後ろに立ち肩を軽く叩く。
「あぁ?」
俺と顔を合わせた瞬間「ギョッ」としたが直ぐ様にやけ顔になり話し掛けてきた。
「よぉ、スカルリザード。ホッパーナックル相手にまさかのドローとは恐れ入ったぜ?お陰でこっちは大もうけだ」
「ほほー?じゃあ俺にも分け前は貰えるんだろうな?」
「あぁ?俺は確かにお前さんの上着に入れといたはずなんだけどな?もしかしてスられたのか?だったら俺を攻めるのはお門違いだぜ?俺は払うものは払ってからアソコから退散したんだからよ」
ほう、上着に金を入れたと……。
「そうなのか、そいつは運が無かった」
「ああそうだろうよ、運が無かったな」
どうやら言い訳が通じた事で安心したらしいが、それでも可笑しい所があるだよなぁ。
「だが一つ質問したいんだが?」
「ああ構わねぇぜ?」
手の平サイズにまで小さくなったバイクを指差しながらアッピオに問いただす。
「ソレを俺は上着に納めていたはずなんだが起きたら消えてた。追跡してみれば此処に反応があって入って見ればお前が持ってる、これはどういう事か説明してくれるか?アッピオ」
言い訳はさせねーぞコノヤロウ。




