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回転  作者: たらば
30/61

30回転目

女を殺した。

その事実が自分の両手に嫌な感触を残す。

だけどコレは必要な事だった、そう自分に言い聞かせながらキャシーの拘束を解く。

キャシーを背負いながらPSIを左右に展開させ力の塊を作っていく。

今まではコレを人に向けたことは無かったけど、こっからは自重無しだ。

使えるモノは何でも使う、利用できるモンは何でも利用する。


出口を探して歩いているとまた例の黒スーツの奴等が襲ってきた。

自分と同じ顔した奴を殺すっつーのは何とも奇妙な感じがするが自重しないと決めたからには、襲ってくる奴は全力で殺す。

襲ってくる奴を屠りながら歩いていると背中のキャシーが意識を取り戻した。


「おう、起きたか」

「……あれ?」


目をパチパチと瞬かせて辺りを見渡してるが、現状が分かってないっぽい。


「身体、大丈夫か?違和感とかあるか?」

「へ?うーん、特には無い……かな?強いて言えばお腹空いた」


まるで自由に鳴らせるかの様にキャシーの腹からお腹の音が鳴る。


「あっはっは!そっか、そうだよな。多分そろそろ1日位過ぎそうだしな。ほら、コレ飲んでろ」


そう言って俺はベルトに吊り下げたタンブラーをキャシーに渡すと、勢い良く飲み始めた。

丸一日飲まず食わずで意識が無かったんだろうから仕方が無い。

その後も黒スーツの男女が襲ってきたが基本、殺していく。

もう中途半端に優しい考えは持たない。

キャシーの目にどう映るか、そこが気がかりだったが何も言ってこなかった。

何か思う所があったのか、それとも気にしなかっただけなのか……。


キャシーを背負ったまま歩き回って、漸く外へ出ることが出来た。

まさか出入り口が岩場の亀裂に隠れる様に備え付けられたエレベーターとは思わなかったけど。

そこからは一度キャシーを休ませてからバイクを取りに行き、キャシー宅へと帰ってきた、


約一日の外出(?)だったが非常に疲れた。

帰ってからは二人共兎に角一旦自室でゆっくりと眠って、起きてから食事を取り、お互いの身体を貪った。

命の危機を感じたキャシー、人間を殺しに殺しまくった俺。

自分が生きてる事の実感を感じる為に他人の温もりが必要だった。

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