30回転目
女を殺した。
その事実が自分の両手に嫌な感触を残す。
だけどコレは必要な事だった、そう自分に言い聞かせながらキャシーの拘束を解く。
キャシーを背負いながらPSIを左右に展開させ力の塊を作っていく。
今まではコレを人に向けたことは無かったけど、こっからは自重無しだ。
使えるモノは何でも使う、利用できるモンは何でも利用する。
出口を探して歩いているとまた例の黒スーツの奴等が襲ってきた。
自分と同じ顔した奴を殺すっつーのは何とも奇妙な感じがするが自重しないと決めたからには、襲ってくる奴は全力で殺す。
襲ってくる奴を屠りながら歩いていると背中のキャシーが意識を取り戻した。
「おう、起きたか」
「……あれ?」
目をパチパチと瞬かせて辺りを見渡してるが、現状が分かってないっぽい。
「身体、大丈夫か?違和感とかあるか?」
「へ?うーん、特には無い……かな?強いて言えばお腹空いた」
まるで自由に鳴らせるかの様にキャシーの腹からお腹の音が鳴る。
「あっはっは!そっか、そうだよな。多分そろそろ1日位過ぎそうだしな。ほら、コレ飲んでろ」
そう言って俺はベルトに吊り下げたタンブラーをキャシーに渡すと、勢い良く飲み始めた。
丸一日飲まず食わずで意識が無かったんだろうから仕方が無い。
その後も黒スーツの男女が襲ってきたが基本、殺していく。
もう中途半端に優しい考えは持たない。
キャシーの目にどう映るか、そこが気がかりだったが何も言ってこなかった。
何か思う所があったのか、それとも気にしなかっただけなのか……。
キャシーを背負ったまま歩き回って、漸く外へ出ることが出来た。
まさか出入り口が岩場の亀裂に隠れる様に備え付けられたエレベーターとは思わなかったけど。
そこからは一度キャシーを休ませてからバイクを取りに行き、キャシー宅へと帰ってきた、
約一日の外出(?)だったが非常に疲れた。
帰ってからは二人共兎に角一旦自室でゆっくりと眠って、起きてから食事を取り、お互いの身体を貪った。
命の危機を感じたキャシー、人間を殺しに殺しまくった俺。
自分が生きてる事の実感を感じる為に他人の温もりが必要だった。




