22回転目
突進してくる熊。
立ち上がったら4メートルはあるんじゃねぇか?
正面から見るとやっぱり圧力半端ねぇ、だけど……あえて避けないっ!!!!
熊が直前でジャンプしてダイブしてきやがった。っつーか熊って跳ぶんだな。
ドォン!!
「ハルキ?!」
土ぼこりが巻き起こり様子が見えない為、キャシーは簡単な初級風魔法を起動し土煙を吹き飛ばす。
そこには両手で熊の爪を受け止め、首筋に噛みつかれた春樹が居た。
「ん”ん”ぎぎぎっ!!」
受け止める事には成功した。何とか引っくり返る事も無く耐えれたが……重い。
かなり筋力が上がってるし肌は弾丸なんかにも耐えれるが、純粋な質量で攻められるときっつい。
でもなぁ熊野郎。
「俺は身体だけが武器じゃねぇんだよ!!」
PSIで刃の回転速度を上げる、と同時にイメージを変える。
さっきまでのイメージは工具の「サンダー」を思い描いていたが此処からはこの熊を『殺す』為にももっと強力な回転のイメージが大事だ。
皮膚を裂き、肉を割り、骨を削り、命を刈る。
馬力の大きな回転……エンジン。
速さを馬力に、スピードをトルクに、その力でコイツを削る!!!!
刃は回転速度をどんどんと高め、最高速に達した所から目に見えて速度が落ちる。
急に熊が逃れようと首から牙を離して離れようとするがそうは問屋が降ろさねぇ。
俺の両手が、爪が熊の腕に食い込み、足が地面を捉える。
「逃げんなよ、お前の為に過去最高に回してるんだぜ」
パニックになったのか、それとも逃げられないと判断したのか。
熊は俺の首筋に先ほど以上に力を込めて噛み付くが俺には利かない。
ギョリンッ!!!!
「俺の勝ちだ」
両手で抱えた熊の首に向かって勝利宣言をしてみせた。




