23回転目
大量の血を撒き散らしながら熊の身体が倒れる。
さて、さっそく逆さに吊るして血抜きだな、両手に備え付けられたアンカーフックを熊の両足にかけて近くの木に吊るす。
キャシーの方を見ると既に用意してたようで、シートと大型のナイフを持って此方へ駆け寄ってくる。
「ある程度予想してたけど……ハルキって無茶苦茶ね」
「お前が言うか?」
初対面の俺に……
「もう!謝ったでしょ!!」
サーセン。
何時ものお約束的なやり取りをしてから熊の血抜き、それとモツ抜きをする。
痛みやすい内臓はその場で調理して食べて帰る事前提だったので、キャシーがサクッと調理してくれた。
こーいったワイルドな事は俺よりキャシーのが断然上手いので色々と教えてもらってる。
しかし何も無い所に火を出して調理するって中々凄い絵面だな、本気で俺も魔法を使う為のデバイスが欲しくなる。
熊の内臓を旨い事処理して、血抜きの終わった熊を荷台に乗せてからキャシー宅に戻る。
帰ったら早々に熊の肉を燻製にしたり、冷凍庫に放り込んだりとしてその日の活動は終わり……にするはずだった。
夜になり、二人でまったりと夕食後の時間を過ごしていると来客のベルが鳴った。
俺がここに住むまで滅多な事じゃ鳴らなかったベルが……だ。
キャシーは直ぐ様壁に立てかけていたショットガンを構えてドアの横へ張り付く。
彼女の顔を見て頷き、ゆっくりとドアを開ける。
ドアを開けた先に居たのは……15世紀前、俺を拉致したあの女だった。
俺が声を失って驚いていると女は怪訝な顔して俺をじろじろと値踏みしている。
「おかしいわね?確か情報じゃ女のはずなんだけど……まあ良いわ。家捜ししましょ」
女が指を鳴らすと後ろに控えていた黒服の男が家に入ってこようとした所で俺の体が動いた。
こいつ等相手には全力で当たらなければならない。
キャシーを俺と同じ目に合わせちゃならない。
その思いで黒スーツの男二人を殴り飛ばす!!
吹き飛ぶ黒スーツを見ながら女はすまし顔で呟いた。
「ふーん、アノ二人を殴って吹き飛ばすって貴方随分強いのね?でも何でかしら?貴方を知ってる気がするんだけど」




