最強の片鱗
そうして彼は紅月に入った。
「お姉様〜」
「フラン!!」
金髪の髪をしたかわいらしいこの子はフランドール・スカーレット。
紅月中学新三年生私の妹。ちなみに紅月は中高一貫校である。
「今日お姉様のクラスに転校生が来るんだって!」
「違うわよフラン、あいつはDランクよ」
「お姉様、そいつと知り合い?」
「まあそうね」
説明しておくけど、この世界は実力主義の世界で、実力がないと人権がないようなもの。能力をつかえるようになった時、ランクが授けられる。ついでにクラスも。
そのランクは学校にもよるけれど、昇格することが可能で、
ランクはS 〜Dまである。
S:一つの軍隊を一人で壊滅できるレベル
A:戦車でも太刀打ち歯が立たないレベル
B:手榴弾を食らっても平気で立っているレベル
C:武器を持っている相手に勝てるレベル
D:一般人(成人男性)レベル
このように分割されている。
なんで彼がDなのかって?
それは彼の詳細が不明だからなんだけれども….いや彼の実力ならSはあるだろう。
Dからどんどん這い上がってくるのを期待して待っているとしましょう。ちなみに私はランクA。強いていうならランクAの中でも上位に位置している。
「あらもうこんな時間!フランいくわよ!」
補足だけども、フランもランクA。
そしてこの学園ではペアを組んで行動するのが普通なのだが、私はソロだった。理由は単純で一人の方が楽だからだ。
フランは彼女の親友の古明地こいし ランクBとタッグを組んでいる。
ところで私は自分で言うのもなんだが人気が高い。
たまに知らないやつから
「一緒にペアを組まないか?」
と聞かれるくらいには。
私はもちろん断る。ただそんなソロ人生ももう終わり。
彼と私は組みたかった。
だからこそ、ホームルームが終わった後すぐさまDクラスに向かっていた。
クラスの前まで来た時、タイミングよく彼が出てきたので、
「ねえいきなりなんだけれど、私とタッグを組みましょう」
「どうしたどうした?突然」
彼は少し呆れた様子で
「いやまあ良いよ。俺的にはどっちでも良い」
はあ!?どっちでも良いってこの私が誘ってるんだからもうちょっと喜びなさいよ!!
「もう仕方ないわね!!」
私はそいつの手をひっぱって、学園長室までいきその申請をしてくるのであった……
次の日から任務を一緒に行うようになった。
任務は一週間に一度不定期に訪れる。
残りの4日間は午前中は戦闘訓練午後は勉強というカリキュラムである。
そしてある日の昼休み。私は屋上にやってきていた。いつも私とフランで昼食をとるのだが、今日から彼が加わる。
私が屋上に着くと
「あれ?お嬢様あいつは?」
「てっきりお嬢様と来るのかと思ってたんだけど、そうじゃないんだ」
「もう全く世話のかかる人ね!!」
「フラン先に食べてて!あいつ探してくる!!」
探すと言ってもこの学園はかなり広い。だからこそ私は’能力’を発動する。
『彼が見つかる』そんな『運命』になれば良いなと…..
そうして私は彼を見つけた。
ただ彼の周りには5、6人程度の明確な殺意を持った生徒がいた。
あいつらは私とタッグを組もうとしつこく言い寄ってきた奴らだ。
確かそいつらは全員Bランク。彼が強いとはいえ、かなりの実力者の数の暴力には流石の彼も勝てない!!
私がわって入っても勝てるかどうか…..いやでも彼を見殺しにするわけにはいかない!
そう葛藤している間に、そいつらのうちの一人が彼の眼前にまで近づき、その拳を振り上げた。
「まずい!」
私は咄嗟に一歩踏み出した瞬間。
「固有スキル解放…….———」
「パチン」
彼が指をパチンと鳴らした。
彼が途中まで言っていた言葉はそのせいでうまく聞こえなくて、いやそんなことよりも
「え…..は…..?」
なんで、さっきまでさっきに溢れかえっていたそこには彼一人しか立っていなくて、その集団はその世界から消えているのであった…..
私はその場をすぐさま離れていた。
あの時の彼の目があまりにも怖くて…..最速で屋上への階段を登りそのドアノブに手をかけようとして…..
「いくらなんでも盗み見るのはよくないぞレミリア」
彼は私の手を動けなくするようにその手で掴んだ。
その声が響き渡った時、ぞっと背筋が凍った。その男からただならぬ何かを感じ取ったからだ。
「俺が強いって知っているのも今は色々面倒なんでな」
そうして彼は私の背中に手でふれて….私の世界が真っ暗に染まるのであった…..
「あれ?私は何をして」
「レミリアーどこ行ってたんだよ」
「お姉様ったらすぐどっかに行っちゃうんだから!!」
「あ、悪かったわね」
そうだ、みんなでお昼を食べようとして、私が屋上に来るのが遅れていたんだった。
けど、なんだか体には違和感があって….それに何か忘れてしまっているような…..
そんな気がした。まあでもなんでもよかった.
「ごめんなさいね。はやくお昼にしましょう」
「やった〜」
そうして私はお昼を取るのであった。
最愛の妹と……この最弱の男と……




