覇王の降臨
ある世界に突如として訪れた最強チート能力者
この世界は理不尽だ。罪なき人が瞬く間に死んでいく。奴らの手によって….
私たちはブライトというチームを作った。そう、シャドーを倒すために…
ブライトのみんなは普段はみな学生で夜になると、能力を使って街を守る。そうこの世界には能力というものがある。まあなんとも摩訶不思議な力だ。
能力の他にも固有スキル、魔法などと言った力も混在している。もちろんこの世界には人間以外にもエルフ、鬼、魔法使い、妖怪、幽霊、数多くの種族が存在する。そしてこの私は誇り高き吸血鬼である。
そうして今…
戦闘の途中なわけだが、私はピンチに陥っていた。仲間は全滅、私の体も重症を負っていて、
目の前には大量の能力者に勝てる…..?
「あはは….」
そんな乾いた声があたりをこだました。
「ごめんね….フラン….」
そうして一人の男が私に向かってきて、
私は目を閉じて、
私は死んだ…..
と思ったその時
「グサ」
そんな鈍い音がした。思わず目を開けた。そこにいたのは一人の別の男だった。
私より背が高く。なぜか安心する…. そんな背中がそこにあった。
男は
「大丈夫か?って大丈夫じゃないよな」
その人は考えるそぶりをして、
「目をつぶれ」
「え?」
「早くしろ」
そういわれてしまったので、私は言われるがまま目を瞑った。
「シュン」
風を切る音が聞こえた。
「目を開けてもいいぞ」
目を閉じていた時間はほんの一瞬だった。
けれど、次の瞬間にはさっきまで大量にいた敵が地に横たわっていた。
『無双』
その一言が本当に似合う。
ただその男だけがその場を支配していた。
そうしてその男が先に口を開いた。
「レミリア・スカーレットだな?」
「どうして、私の名前を知っているのかしら….?」
私がそう聞くとその男はバツが悪そうに
「まあ色々な」
とだけ言った。
「じゃあ一応自己紹介しておくわね。私の名前はレミリア・スカーレット。来年、紅月高校に入学するカリスマあふれるクールな女性よ!以後お見知り置きを」
端的な紹介をし終わると、その男はじっと私を見つめてくる
『こうして見つめられるとはずかしいんだけど…..』
私はその空気をなんとかするためあることを質問した。
「あなたの名前は?」
「悪い。あいにく名乗るような名前をもちえていないんでな」
「え?」
そしてその時、彼は一瞬にしてその場から消えた。
「あ、ちょっと!!!」
なんで名乗るような名前がないって…..
私はしばらくその場に立ち尽くしたあと、思い立ってそこにいる仲間を起こし、敵拠点を後にした。
私は自分の拠点に戻ってきてとんでもない量の書類をかたっぱしから目を通していた。
その書類には、この国に住んでいる全ての生き物の身分の詳細が書かれている。もちろん顔写真付きでね。
あの出来事行こう私は彼に興味を持ってずっと調べていた。
『絶対あの人のことを見つけてみせる』
そう意気込んではいたもののいくら探しても、彼の過去の記録どころか名前すら出てきやしない。
そんなこんなで、彼のことを調べ始めてから二ヶ月ほど経ち4月になった。
私はとある桜の木を見ていた。
その名前は、西行妖という。
毎年、4月になるとここを訪れる。
「…….っ!?」
私は見つけてしまった。
そうそこに立っていたのはあいつだった。
「あなたあの時の」
「ん?なんだレミリアか」
彼は自分のことをあまりしゃべりたくないのかもしれない、前みたいに名前とかは安易に聞かないようにしておこう、と心に誓って、
私は桜の方に向き直って
「この桜綺麗わよね」
「ああそうだな」
少しの沈黙が訪れた。
「春は出会いと別れの季節。すべてが儚く散って全てが新しくなる。そんな季節が春」
彼は桜を見ながら優しそうな表情で語りだした。
「私は冬が好きなのよね。妹と遊べるし、なによりあの忌々しい太陽が雲に隠れるからね」
「太陽?日焼けでも気にしているのか?」
そう問いかけると私は思わずクスッと笑ってしまった。
「私、吸血鬼なの」
そんな告白に彼は一切の表情を変えずに
「知ってる」
とだけ答えた。
「え?なんで知っているのよ」
私はこれでも種族が人間に似ていて、この話をすると大抵驚かれるのに、
「あ….」
私はそこで気づく
『あんなに安易に質問しようとしないってきめてたのに!』
私は彼から次に発せられる言葉をじっと待っていた。
「まあなんとなく?吸血鬼みたいな見た目してるし」
私は一旦ほっと胸を撫で下ろした。
安堵したからだろうか?
私は彼にこんなことを聞いた。
「ねえ、あなたブライトに入らない?」
どうせこの男のことなのだ。ブライトについても知っているだろう。
私が尋ねると
「俺は入ってやってもいいんだが….」
「じゃあ入って!」
私は即反応していた。
彼ほどの実力者は私たちとしても喉から手が出るほど欲しい人材だわ。
「いいだろう、ただし俺を紅月に入れろ。それが俺がブライトに入る条件だ」
「わかったわ。まぁ私から学園側に頼んでみるわね」
学園とは仲が良いため彼はおそらく入れるのだろうが、
私には彼が何を考えているかよくわからなかった。
ただ彼がいてくれるのであれば、なぜだか安心している自分がいるのであった……..




