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流刑の覇王  作者: 卯月よひら
第二章 賢王リアムの話
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12話 アル姐さん

 デジャルダンの駅に着くと、リアムは今度は乗り間違えないように何度も確認したんだ。


 首都のリューリッシュまで、列車で三駅ほどだったよ。


 リューリッシュ行きの列車は混んでいて、座れなかったよ。


 車窓からの眺めは駅ごとに変化して、デジャルダンの郊外の風景からリューリッシュに近づくにつれて、五階建て以上の建物が見えてきたんだ。


 数百年前に建てられた建物郡を抜けると、摩天楼がそびえ建っていたよ。


「リューリッシュ。終点リューリッシュ」


 どっと列車から人が吐き出されて、リアムもあれよあれよと駅のホームから改札に流されてしまったよ。


 紙でできた切符は駅員さんに回収されたよ。現代日本のように自動改札機はなかったんだ。


「うわぁ」


 リアムは摩天楼やビル群を見上げて思わず感嘆したよ。


 プラット村には高層ビルはなかったからね。


「ここがリューリッシュか」


 慌ただしく行き交う人々は様々な肌や髪、瞳の色をしていたよ。リアムのような金髪の人もいて、ちょっと嬉しかったみたい。


 興奮したらお腹がすいたから、近くのお店に入ったよ。


 ハンバーガー屋さんみたいで、一番大きいハンバーガーを選んだよ。


 飲み物にコーヒーと書いてあったから、迷わず頼んだんだ。


 リアムはコーヒー豆を栽培していたけれど、飲んだことがなかったんだ。


 真っ黒い液体にリアムは恐る恐る顔を近づけたよ。


 すぅと鼻に抜けた香りに別のお店の前で嗅いだ匂いがして、コーヒーの匂いだったんだと思ったよ。


 一口含むと…。


「苦っ!コーヒーってこんなに苦いの」


 隣に座っていた男の人がハンバーガーをかぶりついた瞬間、吹き出したよ。


「お前、コーヒー飲んだことないのか。ジュースがよかったんじゃないか?バーガーには炭酸系のジュースの方が合うぞ」


 男の人は飲んでいたジンジャーエールを持ち上げて見せたよ。


「コーヒー豆を作っていたけど、飲んだことがなかったから飲んでみたかっただけだよ。うわぁ全部飲めるかな」


「砂糖あるだろう?」


 調味料が席に置かれていて、透明なガラス瓶に角砂糖が入っていたよ。


 一つ入れてみて飲んでみたんだ。


「少しは飲みやすくなったかな?」


「はは。ずいぶん田舎から来たんだな。お前、兵士志望か?」


「傭兵になろうと思って」


「おう、そうだったのか。俺は傭兵なんだ。これから登録に行くのか?」


 男の人は腰の銃を軽く叩いたよ。


「うん。ごはん食べたら行くよ。おじさんも傭兵なんだね」


「俺の名前はデジレ。場所わかるか?案内してやろうか?」


「え、いいの?」


 クレマンから見知らぬ人にほいほいついていかない方がいいという助言を受けていたよ。


「あ、でも。どうしようかな。装備とかもみたいし」


「登録してからでもいいだろう?今、国が募集している仕事は一週間以上先の締め切りだしよ」


 悪い人ではないみたい。


「デジレは長剣使いのセザールを知ってる?その人から人を紹介されて会ってみたくて」


「セザール?五十路のおっさんだろう?今はカレ商会の護衛やってるんじゃなかったか?」


「うん、その人。セザールと知り合い?」


「ああ。剣を持っていると腕試しさせられてよ。傭兵になってすぐに剣より銃がいいことがわかって、剣はやめたんだ。

 お前はセザールに腕試しされた口か?」


「うん」


 ハンバーガーを食べ終わると、リアムはデジレについていったよ。


「セザールは誰を紹介したって?」


「ガレオ・バルボーとアルマン・デュポンって人。親父の知り合いたから親切にしてくれるだろうって」


 デジレはリアムをじっと見つめて大笑いしたよ。


「確かにアルマンが好きそうだな。先にアルマンがいるところに行くか」


 人で賑わう大通りから幅の狭い道へ入ったよ。石造りの道は多少の凹凸があったものの、リアムが見てきた道の中ではこの街の道が一番整備されていたよ。


 オープンテラスがある店に、ビールジョッキを片手に楽しげに話している男たちがいたよ。


 皆、腰には銃があり、魔法具らしき小物をつけていたから傭兵や兵士などの職業であることがわかったよ。


「よ、デジレ!昼に来るのは珍しいな」


 二十代くらいの男の人が座ったまま、ニカッと笑ったよ。


「バヤールはもう呑んでるのかよ」


「仕方ねえじゃん。登録終わったら呑むしかやることないじゃないか」


「射撃場にでもいけよ」


「はいはい。で、そいつは?」


 バヤールという男の人はリアムを見上げたよ。


「ガレオとアル姐さんは?」


「アル姐はまだ来てない。ガレオは店の奥にいるぜ。そいつ二人に用か?」


「ああ」


「ガレオ!客だぜ!」


 店の奥に向かって叫ぶと、一斉に客がバヤールの方を見たよ。とても大きい声にリアムはビクリと驚いてしまったんだ。


「あぁ?バヤールは声でけぇんだよ。何話してたかわからなくなったじゃないか」


 ブツブツ言いながら、デジレより少し背の高い男の人がやってきたよ。この人がガレオらしいね。


「俺に客は来ねぇよ」


 と言いながらガレオはリアムを見た瞬間、目を見開いたよ。


「シャルル?」


 バヤールの大声で静かになった店内にガレオの呟きは他のお客さんに聞こえたみたい。


 水葬のシャルルのことかとみんなヒソヒソ言い始めたよ。


「長剣のセザールから紹介してもらったんだ。親父の知り合いだからって。あなたがガレオ?」


「親父の知り合い?ということは、お前はリアムか?」


「あれ?俺、会ったことあったっけ?」


「ああ。お前がこーんな小さいときに」


 地面すれすれくらいまで手を下ろしていたから、リアムは物心つく前だったんだろうね。


 ガレオはしげしげとリアムを見たよ。


「エドガール様に抱っこされて、グズグズ泣いてたガキがこんなにでかくなったのか。俺も歳を取ったわけだ」


 ガハハと笑って、バシバシとリアムの肩を叩いたよ。


「あら?ガレオ、機嫌いいじゃない?」


 店の入り口から男の人が入ってきたよ。デジレがリアムを指差しながら男の人に言ったよ。


「アル姐さん。客だぜ」


「あたしにお客様?誰かしら?」


 アル姐?とリアムはまじまじと男の人を見たよ。話し方は女の人っぽいけど、筋肉ムキムキだし、低い声を高くして話している感じでどう見ても男の人だったよ。


「あなたが、アルマンさん?」


「そうよ。ぼっちゃん。あたしに何かご用?」


「アル姐。シャルルのガキだってよ」


 ガレオがリアムの肩に腕を回して、アルマンの前に立たせたよ。


 アルマンはずいっとリアムに顔を近づけたんだ。


「シャルルさんに似てるわね。彼よりも純朴そう!かわいいじゃなぁ~い」


 目をパチパチさせて驚いているリアムに、デジレはこそこそっと聞いてきたよ。


「こういう人種は初めてか?」


「あら、デジレ。あたしは生まれも育ちもランバートで、生粋のランバート人よ。

 よろしくね、リアムちゃん」


 ウィンクされても、リアムはフリーズしていたよ。


「男の、人だよね?」


「男だ。俗にいうオカマだ。あんな話し方してるから、アル姐と呼ばれてる。アル姐は自分が女だと思ってるらしいから、馬鹿にしたりするなよな。殺されるぞ」


「わ、わかった」


 ガレオもこそこそっと教えてくれたよ。


「ねえねえ。リアムちゃん。こんな男臭漂うお店じゃなくて、綺麗で可愛いお店で、甘いものを食べに行きましょうよ」


 アルマンはリアムの腕を組んで上機嫌だよ。


 デジレはバヤールの腕を肘で突っついていたよ。


「アル姐のお気に入りから外されたようだぞ?」


「よかった。これで彼女つくれる!」


 バヤールがガッツポーズしているとガレオが苦笑していたよ。


「邪魔されてたんだっけか」


「女といると、誰よそれってさ。女は女で、誰よそのオカマって。女の運気は遠ざかるばかりだったんだ。お、ジョゼフ!」


 バヤールと年が近そうな男がアルマンとリアムを見て目を丸くしていたよ。


「誰だよ、アル姐にロックオンされているやつ」


「リアムだ。シャルルの息子」


 ガレオが困ってるリアムが面白かったから、しばらく放置することにしたみたい。


「シャルル?水葬の?子どもいたの?」


「ああ。何を思ったのか、こんな時期にリューリッシュに来ちまった」


「傭兵になりたいんだとよ」


 近くの空いている席に座ったデジレが、メニューを見ながら言ったよ。


 ガレオは額を押さえてため息をついてから、さっきまで話していた傭兵仲間に用ができたと断りを入れたよ。


「アル姐。リアムが困ってるぞ。リアム、俺らに話ってなんだ?」


 リアムはアルマンが離れてくれてほっとしていたよ。


「長剣使いのセザールから、親父と二人が仲がよかったって聞いたから会ってみたかっただけ。食事中ならあとにするよ」


「あら、リアムちゃんってジェントルマン~。あたしとケーキ食べに行きましょうよ」


「ケーキ…」


「甘いの苦手?」


「食べたことない。村にケーキ屋なかったから」


「立ち話はなんだから、場所移そうぜ」


 ガレオが言うとリアムは店を出たよ。アルマンは先頭でお店選びしていたよ。


 バヤールとジョゼフっていう人もついてきたんだ。デジレはみんなが呑んでるからお酒呑みたくなったらしく、来なかったよ。


「リアムちゃん。甘いもの好き?」


「うん。森でよくとって食べてた」


「森?」


「木の実」


 アルマンは人がつくったお菓子の話をしていたんだけど、リアムに伝わっていなかったみたい。


「リアムちゃんって野生児?」


「というかド田舎すぎじゃない?ケーキ屋ないなんて」


 ジョゼフが嘘だろうという顔をしていたよ。都会っ子みたいだね。


 アルマンが選んだのはお洒落カフェというより喫茶店という感じで、おじさん集団でも入りやすいお店だったよ。


「あたしはあっちのお店がよかったんだけど」


 アルマンが頬に手を置いて、ピッと指差した先は赤やピンクの看板のお店で、女子たちが列を作っていたよ。


「俺はこちらがいいです」


「俺も」


 若いバヤールとジョゼフは女子だらけの店に入る勇気はなかったみたい。


 バヤールはせっかくアルマンの呪縛から抜けたのに、女の子がたくさんいるお店でナンパでもすればいいのにね。


 リアムはメニューを見てもケーキの種類がわからなったから、アルマンに選んでもらったよ。


 日本は世界的にも食の大国だから、色々な国のお菓子を見たり食べたりできると思うけど、テレビも観たことがなく、情報を与えられなかったリアムが、自国のお菓子であるカヌレやらオペラなんて書いてあってもなんじゃそりゃって思うんだ。


「セザールに会ったんだってな。今、カレ商会とこいんだろう」


 注文が終わるとガレオが聞いてきたよ。


「リアムちゃんって剣を持ってるから絡まれたでしょう?五十代だけど、まだまだ強いわよね、セザールって」


「…うん。強かった」


 声のトーンが急に下がったからアルマンたちは心配したよ。


「どうしたの?」


「ごめんなさい」


「なんでごめんなさいなの?」


 リアムは話さないとと思いながら、少しでも話したら涙が出そうだったよ。


「あれ?カレ商会って新聞に載ってた気が…。新聞ある?」


 ジョゼフが店員に新聞を借りて広げたよ。


「これだ。後継者のクレマンって人が亡くなった」


 ガレオは貸せと言って記事を読んだ。


「ルーカニバルの群だって?何でそんな物騒な魔物が、デジャルダンの街近くに出るんだよ」


「い…ルーカニバルの群れ」


 バヤールはいかにも会いたくなさそうな顔をしていたよ。


「リアムちゃんは一緒にいたの?」


「クレマンさんとは偶然会って…。俺がリューリッシュに向かうから、クレマンさんが車に乗せてくれたんだ。デジャルダンで降ろしてもらって、見送っていたらルーカニバルが…。セザールもマルタンもエルヴェもみんな死んでしまった」


「一人生きてるって書いてあるじゃないか。クレマンの妻がさ」


 ガレオは友人の息子と会って初日に重い話を聞くとは思わなかったよ。リアムのことよく知らないし、どう励まそうか手探りだったみたい。


「ニノンさんは死んだよ。クレマンさんとモニクの後を追って、今朝」


 静まり返ったところに、頼んでいた飲み物が運ばれてきたよ。ケーキはまだみたい。


 ガレオが口を開いたよ。


「リアム。傭兵になるのはやめておけ。人の死は日常茶飯事だ」


「セザールやクレマンさんたちにも言われたし、カレ商会で働かないかって言われた。みんないい人たちだった。セザールは自分が死ぬっていうのに傭兵になるなって、忠告してくれた。

 カレ商会の人たちは優しくて、エドおじさんのところから出た意味がない。おじさんのところにいたらずっと子どものままで、貧しいままで終わってしまうからリューリッシュまで来たんだ。実力で名前を上げて稼いで、おじさんと色々な国を巡りたかったから」


「エドおじさんって、エドガール様のこと?」


 アルマンは周囲をさっと確認しながら、小声で聞いたよ。


「リューリッシュから小さかった俺を連れてきた人はエドおじさんだよ。エドと呼べって言われただけで、おじさんのことは本人から聞いていないんだ。俺も本人の口から聞きたいから話さないでほしい」


「傭兵をするなら嫌でも聞くぞ?それにシャルルの息子がリューリッシュにいることも広まるだろうし」


「広まるのはガレオのせいじゃない?」


 バヤールが言うからガレオは睨んだよ。傭兵の集まる酒場でシャルルの名前を出しちゃったのはガレオだし、バヤールが正しいと思うけどね。


「俺の心は決まってるから」


 ガレオはやれやれとため息をついて、アルマンは仕方なさそうに笑っていたよ。


「リアムちゃんが決めたなら、あたしたちは口を挟めないわ。それであたしたちに会いに来たのは、お父さんの話を聞きたいから?」


「それも聞きたいけど、エドおじさんは剣術教えてくれても、傭兵について詳しくわからなかったんだ。ルールとか装備とか必要なことを教えてほしいんだ」


「そうだったのね。あたしが手取り足取り教えてあ・げ・る」


 手を取ろうとした時に、ケーキが運ばれてきたよ。


「ご注文のアップルパイです」


 アルマンは舌打ちしたから、店員さんはちょっとかわいそうだったよ。


 リアムといえば、お盆の上からテーブルに置かれるまで、アップルパイを凝視していたよ。これもこれで店員さんはやりづらかっただろうね。


「アップルパイ?」


「そうよ。召し上がれ」


 別にアルマンが作ったわけではないけどね。


 ちなみに、アップルパイと似たお菓子でタルト・タタンがあると思うけど、この世界には考案したとされるタタン姉妹がいなかったから、ハイドランジアにはなかったよ。


 もしかしたら、広いハイドランジア大陸のどこかで、別の時代で、作られているかもね。


 リアムはフォークを入れると、サクサクしていて驚いたよ。パラパラとお皿にパイが散らばってしまって焦ったよ。


「崩れるんだけど!」


「そういうものよ」


 バヤールとジョゼフは笑いが止まらないらしくて、腹が痛いとひぃひぃ声をあげていたよ。二人の中でリアムは田舎少年で定着しちゃったみたい。


 一口食べると甘いカスタードクリームのすぐあとに、リンゴの甘酸っぱい酸味がして、バターたっぷりのパイ生地がくどいと感じなかったよ。


「おいしい」


 アルマンはよかったと笑ったよ。木の実が好きだとリアムが言ったから、果実が使われているお菓子を選んだみたい。


 リアムは目を輝かせてアップルパイを食べたよ。


「リューリッシュは色々なものがあるんだね。お金があれば色々なものを食べられたり見られたりできるんだね」


「リューリッシュにいても、お金があっても、手に入らないものもあるわよ」


「そうなの?」


「そう、愛よ。愛。恋人とかね」


 アルマンはにっこりと笑うけど、リアムにいまいち伝わっていないみたい。バヤールはロックオンされてるぞとリアムに教えてあげたかったけど、果たして伝わるかな?


「たくさん人がいるから出会えるんじゃないの?」


「なかなかないのよ。リアムちゃん、あたしをもらってくれる?」


 初対面でなに言ってるんだろうね、この人。


「えっと…」


「アルマン。会って数十分で冗談言うなよ。リアムが困ってるだろう?」


 ガレオは助けてくれたけど、アルマンは話題続投する気みたい。


「結構本気なのよ。リアムちゃんはどんな人が好みなの?」


「え…?その…」


 ニノンの笑顔が浮かんで、リアムは顔を真っ赤にしたよ。


「ねえねえ、どんな子?」


「…ニノンさんみたいな人」


「ニノンって自殺したクレマンって人の奥さん?」


 ジョゼフが言うとアルマンが真顔になったよ。


「ニノンさんって人が好きだったの?」


「好きとか、恋とかわかんない。けど、ニノンさんのこと、ずっと考えちゃったりして…。お、おかしいよね。クレマンさんの奥さんだったし、死んじゃったし…」


 じっとりとガレオたちはアルマンを見ていたよ。


 アルマンは傷心のリアムをさらに傷つけてしまったと焦っていたよ。


「ごめんね、リアムちゃん。つらかったわね。お姐さんが今日はおごってあげるから、たくさん食べて元気出して!」


「え、あ、うん。ありがとう」


 はにかんで笑うとアルマンが胸を抑えて悶えていたよ。


「キュン死するわ、キュン死!」


「キュ、キュン死?」


 リアムはどういう意味だろうとバヤールたちを見たよ。


「アル姐さん。今の若者は使わないぜ」


「リアムは若者だが、田舎者だからわかっていないみたいだぞ」


 バヤールとジョゼフが茶々いれるけれど、アルマンはずっとキュンキュンしているから聞いていなそう。


「リアム、このおっさんは死なないから放っておこう。傭兵組合の登録はまだなのか?」


 ガレオがアルマン放置を決め込んだよ。


「これから。装備とか売ってるところを知りたい。銃もほしいし」


 マリアスからはもらった小型の銃は、仲間にも隠しておいた方がいいと言われていたから言わなかったよ。


「まだ店はやってるから、食ったら行くか?」


「え~まだリアムちゃんとお茶したい」


「バヤールと飲んでろ」


「あ、魔法具を買わないといけなかったから、俺も行くぜ」


 バヤールは焦るように早口で言ったよ。


「俺も~」


 ジョゼフもバヤールに便乗したよ。アルマンにロックオンされかけていたけれど、いつもさらりとジョゼフは逃げているらしいよ。


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