表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマーは、はばからない!〜ソロテイマーだったのに、気が付いたら最強組織を作ってました〜  作者: 琥宮 千孝(くみや ちたか)
第三章 (覇王覚醒編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/122

サニアへ帰還。そして王都に出立!

急いでサニアに戻るユート達は…

 カルデリアを発ってからサニアに到着したのは、丸一日たった朝方だった。

 行きと違い、風が出ていたのとのが主な原因だ。


 途中結構時間があったのもあるが、寝てしまっていたようだ。


「流石にお疲れみたいですね。丁度町が見えてきましたよ?」


 サナティに労われつつ、少し伸びをしてから辺りの様子を伺った。

 一先ず、サニアの上空から町を周回して見てみたが魔物や魔族が襲ってきている様子は無かった。


「良かったサニアは無事か。すぐに屋敷に帰ろう」


 ほっとしつつ、すぐに屋敷に向かう。

 うまく馬を使えていれば、到着しているかもしれないが…


「お帰りなさいませ旦那様。お早いお帰りで…正直、ほっとしました」


 ダイレクトに庭にゴンドラを降ろすと、すぐにゼフが出てきた。

 良かった、無事だったか…。


「他の使用人達は?」

「もちろん、全員おります。言いつけ通りに全力で全員帰還しております。荷物は残念ながら何も持ってこれませんでしたが…」


 そう言うと、メイド達が出てきた。

 鬼に進化しても、影から出てくるスキルは残ったままみたいだな。


「良かった…お前たちが全員無事なら、あそこの荷物なんかどうでもいい。ギルドで王都襲撃を聞いた時は肝を冷やしたぞ」

「はい、私一人であればなんとか倒せる相手もいましたが、全員で無事に脱出するには逃げてくるしかありませんでした」


 Sランクに相当するゼフなら大概の魔物なら蹴散らせるだろう。

 だが高ランクの魔族が来ていたみたいだし、逃げる事に徹したのは正解だったであろう。


「ああ、それでいい。お前たちの仕事は俺と家族たちの世話だからな。非情なようだが、街の人々の命はあそこの兵に任せるべきだろう」


 この世界の救世主なわけじゃないし、王都の人々の命の責任まで負うつもりも負わせるつもりもない。

 綺麗ごとだけでは世の中生き延びれないのはそれなりに歳を食った分知っているつもりだ。


「それで…旦那様。お一人お客様をお連れしております」

「それは、王都から?」

「はい、どうしても見過ごせず連れて参りました。お会いしますか?」


 俺の命に反してまで助けた人物か。

 ここは会っておくべきだろう。


「分かった、すぐに会おう。メイド達はみんなの手伝いをしてくれ。ゼフ、その人物に会わせてくれ」

「畏まりました、こちらへ」


 メイド達もお辞儀をして、メンバー達の荷物を降ろしたりペット達の厩舎への搬入を手伝いに向かった。


 応接間に着くと一人の女性が顔を伏しながら、ソファーに座っている。

 ここまでかなりの強行軍で来たはずなので、背中からでも疲れが見て取れた。


「なるほどね。貴女だったか…」

「!ユートさん!!もう帰ってこられたのですか!?」


 俺を見るなり立ち上がったその人は、聖女アリアネルだ。

 国の最重要人物がここにいるという事は、王都の方はかなり絶望的と思える。


「アリアネル様も疲れているだろう?まずは座って話をしよう。王都の状況を教えてくれ」


 そう言うと素直に座るアリアネル。

 俺もその対面のソファーに腰かけた。


「まずはどこから話したらいいか…。"ソレ"は突然現れました。なんの前兆も無しに空にある一匹の魔物が現れたのです。それを見た者は恐怖のあまりに気を失うか、パニックになって叫びながら逃げまどいました。 一部の兵が気が付いてすぐに攻撃をしようとしたらしいのですが、攻撃の届かない上空にいたため手も足も出ずに…、その殆どがその魔物によって殺されてしまいました───」


 生き残った兵の数名が慌てて王宮とギルド、そして大教会へ応援を頼みに来たらしい。

 そこでやっと事態を把握出来たようだった。


 能力を鑑定するスキルを持った大神官が鑑定した結果、その魔物のランクはSS。

 すぐに緊急事態宣言を街に発令したらしい。


 ギルドもすぐに動いて冒険者達に防衛を依頼したらしいが、今度は街の正門から大量の魔物と魔族が雪崩れ込んできた来たらしい。


 アリアネルも救援に向かおうとしたが、そこで側近の者たちに止められて大教会に留まった。

 正門に向かった冒険者達が突破されてしまい、大教会の前まで魔物が押し寄せてきて戦闘に巻き込まれたということだ。


 Aランク冒険者が多数いたが、数に押されて思う様に動けないところに強力な魔物を従えた魔族がやってきて事態は悪化。

 ついには側近たちも倒されてしまい、自分の命もここまでかと思った時にゼフ達に助けられたらしい。


「もしあの時にゼフさんに助けて貰えていなかったら、私はあそこで命を落とすか捕らえられていたかでしょう」

「そうだったか…、しかし無事で良かった。貴女がいなくなったら王国も大変な事になるだろう?」

「そうですね…。一応聖女なんて役柄があるので、人質にされるととても厄介な事になっていたでしょうね…。その場合は、自ら命を絶つしかなかったでしょう…」


 俺よりも一回り以上も若い子がここまでの覚悟を持っているのか。

 この子も可哀そうな運命を背負わされている気がしてしまう。


「…。それで、王宮はどうなった?流石に強い近衛兵とかがいるんだろう?」

「はい、いるにはいるんですが…。上級騎士クラスでSランクなんです。あの魔物と同等のSSランクの人なんか…騎士団長のバードン殿くらいです」

「へぇ、SSランクなんているんだ。最近はSランクすら輩出していないって言ってたのに」

「それは嘘ではありません。最近若い人でSランク以上に人はいないですよ。ほとんどが5年以上前にSランクになったきりで、それ以降はせいぜいがAランクまでです」


 聞いている限り、それはかなり厳しいかもしれないな。

 相手はSランクが大勢いるのに、こっちはSランクが殆どいない。

 しかも、SSランクがたった一人。


 その時点で、この戦いは負けが決まっているな。


「王都攻められた時点で負けか…。残念だけど…これから救援に行っても助けれないかもしれないな」

「そこは…、既に覚悟はしています。お父様もそこは王として覚悟は出来ている筈です。ですが…お願いします、王都の民を助けていただけませんか?」


 正直、既に敵の手中に収められた王都に向かうのは自殺行為だろう。

 しかも、高ランクの魔族や魔物がいるようだし、普通なら見捨てるだろうな…。


 しかし、もうクエストを受けてしまったし、俺が来ると思って王都へ救援に向ってくれている大勢の冒険者達を見殺しにすることは出来ない。


 それに、ここで逃げてもいつかはサニアまでやってくるだろう。

 そうなったら結局戦わないといけない。


 この町は気に入っているし、知り合った人々や仲間の家族もいる。

 なにより、俺と家族の屋敷があるのだ。


「はぁ…、元よりそのつもりだったし、やるだけの事はやってみるよ。但し、無理だと思ったら俺は逃げるからな?」

「行っていただけるんですか!?ありがとうございます!ありがとうございます!!」


 俺の手を取り、何度も感謝を述べるアリアネル。

 助けて匿ったのがゼフじゃ無かったら、頼る相手もいなく途方に暮れていたところだろう。


 俺は既にギルドの依頼を受けている事も伝えて、準備に取り掛かること話した。


「やはり、貴方は思った通りの人ですね。貴方に生きて再会出来たのを嬉しく思います」

「おいおい、そう言うのは無事に帰ってきてから言ってくれよな」


 変なフラグは立てないで欲しい。


 さて、連れて行くメンバーを決めないとだな。

 聖女を狙って来たのであれば既に捕まっているだろうから、狙いは王宮だろうな。


 万が一を考えて、屋敷に防衛役を置いておかないと。

 想定する敵はSSランクの魔族か…。


 カイト達だけでは荷が重いだろうし、出来れば連れていきたい。

 そうなると、王都に入れないセツナとまだギルドに登録していないセリオンか。


「セツナ、そしてセリオンはここの防衛に当たれ。いざという時にお前たちくらいのクラスじゃないと歯が立たないだろうからな」

「…しょうがないわね、私は王都に入れないし。ユート達の戦いが見れないのが残念だが、今回は有事だ、我慢するよ」

『承知した。ユートの住処を必ず守ってみせよう』


 二人ともすぐに承知してくれた。

 前みたいに不在の時に襲われたりしたくないからな。

 SSランクだし、万が一の時はなんとかしてくれると期待したい。


 王都へは大勢で行っても目立つし、移動に時間が掛かる。

 そのため、先行で俺とニケとカルマ、ディアナとヘカティアが高速移動して向かう。

 

 後発部隊としてゴンドラを一基使いカイト達の5人と、リン、レーナ、アーヤ、ガント、メイアが来る。

 カイト達は魔物討伐を中心に活動し、リン達3人は街の人々の救助と治療に、ガントとメイアは補給部隊だ。


 また、残りのメンバーはサニアの防衛にあたらせる。

 うちのメンバーだけでかなりの人数がいるので、ギルドも大助かりだと喜んでいた。


 王都襲撃で、サニアにも厳戒態勢が敷かれている。

 ゼオス達も出来るなら王都へ向かいたかったようだが、サニアの町もいつ危険な状況になるか分からないのでそのまま残って情報収集に努めていた。

 

 俺は事情を話して、ユニオンメンバーの半分を護衛に当たらせる事を伝え、俺自身は王都へ救援に向かう事も。


「いつもお前は人助けに行いってるな。口では損得勘定でやってるなんて言うけど、実際は人がいいヤツだな。…だからこそ、王都の事頼んだぞ!もうお前しか頼りにできる奴がいないんだ。 その分報酬の方は任せておけ! あと、絶対死ぬんじゃねーぞ?」

「ああ、分かってるよ。 まぁ、大丈夫だよ。うちのペットの主力を連れて行くから、魔王でも出てこない限りは負けはしないさ。じゃあ、行ってくるよ」

「おう、無事を祈っているぞ」


 同じおっさん仲間として意気投合しているゼオスに心配されるのは純粋に嬉しいかもしれない。

 もちろん、端から死ぬ気はないので万全を期して臨むつもりだ。


「パール、ペルラ。来てもらって早々に悪いけど屋敷で待機していてくれ。このゼフ達が君たちの世話を見てくれる。何かあれば彼に聞くと良い」

「分かりました。とりあえず絹を織るための機械を置く場所を決めさせてもらいますね。あとは、繭を作る虫の育成する場所を作らないと…」

「それなら小屋を作った方が良いでしょうね。まだ、職人たちがいるので頼んでみましょうか。旦那様よろしいですか?」

「ああ、そこはゼフに任せるよ。お金が足りるなら好きにやってくれて構わない」

「畏まりました」


 パール親子の事はゼフに説明してあるので、任せておく。

 なるべく早くに絹を作れるようになると有り難いが、そこは自然の産物なのでらしきものが定着してくれるのを待つしかない。


「じゃあ、ギルドにも報告したし出発をする。 留守の間はゼフ、セツナ、セリオン頼んだぞ?」

「承知しました」「了解」『承った』


 3者から返事をもらって、いざ出発しようとしたその時だった。


「ユートさん!待ってください!!」


 聖女アリアネルが息を切らしながら屋敷から出てきて、俺の出発を止めた。

 なんか言い忘れた事でもあるんだろうか?


「ユートさん。勝手な事を言っているのを承知でお願いします。どうか私も王都へ連れて行ってください」

「はぁ?いやいや、何言っているんだ?連れて行って危険な目に遭わせたら、ゼフの努力を泡にするようなもんだぞ?」

「もちろん、分かっております。ですが、行かねばならないのです。私が聖女である限り、やらないといけない事があるんです!」


 必死の表情で訴えるアリアネル。

 聖女でなければ一番安全なここで待っているだけで良かったものなのに…。


「分かった、今は急いで向かわないといけないから、理由は行く途中で聞かせてくれ」

「! ありがとうございます! では、よろしくお願いします!」


 そういうアリアネルをニケの背中に乗せて、俺は彼女の前に乗る形になった。


 飛行する生き物には乗った事が無いのか、緊張して俺の背中にピッタリくっついている。

 背中から与えられる心地良い感触に意識が取られそうになるが、男子から何故か向けられる敵意に当てられて意識を保つことが出来たのは僥倖だ。


 「では出発するぞ!後発隊は無理せずに来てくれ。俺等は最速でかっ飛ばす。行くぞっ!」


 そう言うとニケは俺らを乗せて天高く舞い上がった。

 カルマとディアナとへカティアも続いて飛び立った。


「「「行ってらっしゃいませ」」」


 恭しくお辞儀をしながら見送りしてくれるゼフとメイド達。


 居残り組のメンバーも、どこで覚えたのか敬礼をしながら俺らを見送るのだった。

いつもご覧になって頂いている方々、本当に有難うございます。


日々、評価やブックマークが増えていき、皆様に応援されているようでとっても励みになっています。

是非よろしくお願いします。



次回も楽しみつつ書かせて頂きますので、一緒にお楽しみ頂ければと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ