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レベル1を35個持ったおっさん、有能すぎて美女三人に包囲される〜レベル10大火力至上主義の世界で裏方が最強だった〜  作者: よっしぃ@書籍化


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【番外編】緊急SS・判明した魔王の『マジカル』な秘密。そして次なるターゲットは……

 総合評価500突破記念の特別SSをお届けします! こちらは本編と連動しておりますので、ぜひお楽しみください。


「そういえば、この世界って、名前がない人が多すぎるんだゾ!」


 主であるヘンドリックが魔王の添い寝(物理)によって気を失い、静寂が訪れたはずの拠点で、ミラがふとそんな疑問を口にした。


「確かに……。最初に出てきて、それっきり登場しない方も多すぎますわね」


「ええ。かく言う目の前の魔王様すら、我々は『魔王』という役職名しか存じ上げませんの」


 エリーゼとサンネの鋭いメタ的な視線が、気まずそうに佇む魔王へと向けられた。


「え、そりゃあ……私は魔王さ。魔王以外の名前なんてないんだぞ!」


 魔王は慌てて顔を背けるが、ヒロインたちの追及の目は誤魔化せない。


「魔王になる前はどうでしたの? 貴族のような家名があったのではありませんこと?」


「あ、ああ……。我は誇り高き血脈。その名は『マジカ』。そして由緒正しきルキャン家の血を引く、ディ領の主なり……」


『マジカ・ルキャン・ディ』


 重々しく、そして誇り高く名乗った魔王だったが、拠点には冷たい風が吹き抜けた。


「……マジカ、ルキャン、ディ?」


「……マジカル、キャンディ?」


「なんだか、すっごく甘くて美味しそうな名前なんだゾ!」


 ミラの無邪気な声が決定打となった。


「ち、違う! 我は真に恐ろしい存在だ! 魔法少女とかお菓子とか、そういうんじゃないんだぞ!」


 必死に弁明する魔王。しかし、エリーゼとサンネは顔を見合わせると、深く深く頷いた。


「……魔王様。今まで、ずっとお一人でその重荷を背負って……お辛かったですわね」


「もう無理して悪いことしなくていいんですのよ、キャンディちゃん……」


「同情するな! その生温かい目で我を見るなああぁぁっ!」


「うっせえええっ! 人が気ぃ失ってんのに、キャンキャン騒ぐなあ!」


 突如、横たわっていたヘンドリックが跳ね起き、怒鳴り声を上げた。


「ひっ……! 今、キャンって言った!? うわーん……ヘンドリックがいぢめるぅ!」


 自身のトラウマである名前の響きを拾われた魔王は、完全に幼児退行し、涙目を浮かべて走り去ってしまった。


「……というわけで。まだ名前が決まっていない人々を深く追求すると、このような大惨事になるようですわね」


「ええ。これ以上は危険ですわ。本当に良かったですね、作家様……いえ、創造紳様」


「お、おい……。お前ら、さっきから誰に向かって話してるんだ? 紳ってなんだよ……!」


 ただ一人、魔王の本名を聞き逃したヘンドリックの困惑だけが、拠点に空しく響き渡ったのだった。

【なろう読者様へ・作者より】


 皆様、いつも応援ありがとうございます!


 そして魔王の本名「マジカ・ルキャン・ディ」……区切り方を変えると「マジカルキャンディ」になることにお気づきいただけましたでしょうか。本人は非常に気にしています。どうか温かい目で見守ってあげてください。


 次の目標は総合評価1000です。

 1000突破の暁には、また特別なSSをご用意する予定ですので、どうかお楽しみに!


 引き続き、ヘンドリックと愉快な仲間たちをよろしくお願いいたします!


サンネ「……創造紳の皆様、今後ともよろしくお願いいたします」

ミラ「ありがとうなんだゾー!!」

エリーゼ「旦那様のスローライフへの道は、まだまだ遠うございますわ。ふふっ」

ルミナリア「わらわたちもおるからのう。ふふふ」

ヘンドリック「……だから創造紳って誰なんだよ。スローライフが遠ざかっていくんだよ……おい創造紳とやら、何とかしろよ!」

魔王「細かいことは気にしなくていいんだぜ! アタシのためにも、もっと頼むぜ! ガハハハハッ!!」

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