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レベル1を35個持ったおっさん、有能すぎて美女三人に包囲される〜レベル10大火力至上主義の世界で裏方が最強だった〜  作者: よっしぃ@書籍化


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第17話:女騎士の計算と、揺るがぬ鉄壁

 ギルドでのパーティー登録を終え、拠点へと戻った日の夜。

 サンネは自室で剣の手入れをしながら、昼間の出来事を思い返していた。


『サブリーダーの座……本当は、ヘンドリックの隣に公式に立てる魅力的なポジションだったのだけれど』


 サンネとて、ヘンドリックの右腕という称号に惹かれなかったわけではない。だが、彼女があの場でエリーゼを力強く推薦したのは、女としてのしたたかな計算があってのことだった。


『サブリーダーになれば、パーティーの規律を守り、ギルドとの事務手続きや、若いブラムたちの面倒を見る役目に追われる。……つまり、生真面目なエリーゼのことだから、役目に縛られてヘンドリックに色目を使っている余裕なんてなくなるはずよ』


 それに、なんだかんだ言って、エリーゼのヘンドリックに対する扱いや距離の詰め方は群を抜いて上手い。冷たい態度を取りながらも、誰よりも彼の行動を理解し、完璧なサポートをこなしている。

 サンネにとって、あのエルフは最大の恋のライバルなのだ。ここでサブリーダーという重い役職を押し付け、少しでもヘンドリックへのアプローチを遅らせる作戦だった。


『それにしても……私のこの抜群のプロポーションをもってしても、まったく落ちないなんて。あのおっさん、本当にどういう神経をしているのかしら』


 サンネは立ち上がり、鏡に映る自身の豊満な胸と、引き締まったしなやかな肉体を見つめてため息をついた。

 かつて王都の騎士団にいた頃は、男たちは皆、彼女の気を引こうと必死だったというのに。この男には物理的なアピールがまるで通じない。


『でも、負けないわ。エリーゼがサブリーダーの仕事に追われている隙に、私が一気に距離を詰める……!』


 そこでサンネは、新しくヘンドリックから教わったスキル【挑発Lv1】の存在を思い出し、悪女のように微笑んだ。


『そうよ。本来は魔物の注意を引くスキルだけど……二人きりの時に、私に気を引かせるための【挑発】を、彼自身に使ってみたらどうなるかしら……?』


 翌日のダンジョン探索での休憩中。

 サンネの作戦は、早くも実行に移された。


「ねえ、ヘンドリック。少し休憩の時間が空いたわね。……良ければ、私の肩の筋肉、解してくれないかしら?」


 サンネはこれ見よがしに胸の谷間を強調し、上目遣いで甘い声を出す。さらに、極秘裏に【挑発Lv1】のスキルをヘンドリックに向けて発動させた。

 男の闘争心や注意を強制的に自分に向けさせるスキルを、恋愛の駆け引きに応用するという反則スレスレの裏技だ。


『さあ、私を見なさい、ヘンドリック……!』


 サンネの期待通り、ヘンドリックはピクッと反応し、サンネの豊満な胸元をじっと見つめた。

 ついに落ちたか。サンネが胸の中で勝利のガッツポーズをした瞬間。


「……サンネ。君、胸当ての留め金が一つ外れているよ。前衛でそこが緩んでいたら、急所を突かれて死んでしまうからね。ほら、直してあげるから少しこっちへ来てくれないか」


「…………え?」


 ヘンドリックは一切の欲情を含まない、ただ純粋なプロの防具点検の目でサンネの胸元を見ていただけであった。

 そして慣れた手つきでガチガチに留め金を締め直され、色気も何もない、防御力MAXの完全武装状態にされてしまう。


『挑発スキルすら、ただの安全確認で処理された……!? この人の鉄壁、どうなってるのよぉぉぉっ!』


 サブリーダーを押し付けられたエリーゼが、休憩中もブラムとロッテのステータス管理で忙しそうにしている横で、サンネの渾身のアプローチもまた、おっさんのプロ意識という名の分厚い壁に呆気なく防がれてしまうのだった。

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