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レベル1を35個持ったおっさん、有能すぎて美女三人に包囲される〜レベル10大火力至上主義の世界で裏方が最強だった〜  作者: よっしぃ@書籍化


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第130話:自動温泉卓球と、自称・家臣団の結成阻止

「うん、なかなか良い軌道だね。……ほいっと」


 カコン、と甲高い音が温泉施設の一角に響く。

 ヘンドリックが暇つぶしで作った温泉卓球台。それはただの卓球台ではなかった。


「【風魔法Lv1】と【土魔法Lv1】の複合で、打った球を自動で打ち返してくる『一人打ち用ゴーレム・パドル』を作ってみたんだけどね。適度な運動になっていいかな」

『……いや、なんか風魔法のせいで球が消える魔球みたいに変化してるけど。まあ、遊び道具だしこんなもんでしょ』


 ヘンドリックは一人、ふわりと空中に浮遊する木の板を相手に、温泉上がりのラリーを楽しんでいた。この「自動で相手のレベルに合わせて魔球を打ち返してくるシステム」が、のちに王都の騎士団や武闘派貴族たちの間で「究極の動体視力訓練装置」としてもてはやされることになるのだが、今の彼はただの暇つぶしのつもりである。


「……閣下。探しましたよ。こんなところに新たな魔導兵器を建造しているとは」

「兵器じゃないよ、シリル君。ただの遊び道具だけどね」


 書類を抱えたシリルが、呆れたような、しかし興味深そうな顔で卓球台を観察していた。


「まあいいでしょう。それより、先ほどの家臣の件です。私はあくまで魔術師ギルドから派遣された研究者であり、補佐官にすぎません。侯爵家の屋敷を切り盛りする本職の『執事』や、使用人たちを束ねる『メイド長』の代わりは務まりませんよ」

「そうだよね。俺も平民だから、貴族の家の回し方なんて全然分からないし……」


 ヘンドリックがパドルを置き、タオルで汗を拭いながらため息をついた、その時である。


「お任せくださいませ、旦那様!」

「主君の危機と聞いて駆けつけたぞ!」


 温泉施設の廊下から、エリーゼ、サンネ、ミラの三人が勢いよく飛び出してきた。


「執事や家政など不要ですわ。このエリーゼ、旦那様の『腹心』として、スケジュールから財産管理、夜のお世話まで、すべて完璧にこなしてみせます!」

「私は侯爵家直属の『騎士団長』になろう! 常に主君の隣に立ち、あらゆる敵を斬り伏せる!」

「ボス! アタシはボスの『専属護衛』なんだゾ! ボスに飛んでくる暗殺者の矢も、飛んでくるお肉も全部アタシが食べるんだゾ!」


 三人はそれぞれ自信満々に胸を張り、侯爵家のトップの座を勝手に独占しようと宣言した。

 彼女たちの言う通りにすれば、確かに身内だけで家臣団は埋まる。埋まるのだが……。


「……いやいやいや、ちょっと待ってほしいかな」

『頼むから冷静になってくれ。君たちにそのポジションを任せたら、この屋敷がどうなるか目に見えてるじゃないか』


 ヘンドリックは疲れた顔で頭を掻いた。


「腹心って言っても、エリーゼにスケジュールを任せたら、俺の休みが全部君とのイチャイチャタイムに変換されるでしょ。サンネの騎士団長は……そもそも騎士団がいないのに団長ってなんだい。ミラの護衛に至っては、ただ俺の横で肉を食べたいだけだよね」

「うっ……」

「そ、そんなことは……」


 図星を突かれた三人が、あからさまに目を逸らす。


「それにさ」


 ヘンドリックは少しだけ表情を柔らかくし、三人を見回した。


「君たちは俺のパーティーメンバーで、大事な『家族』みたいなもんだよ。使用人や家臣として顎で使う気なんて、最初から一ミリもないかな。……そういうのは、やっぱりちゃんと専門のプロを雇わないとね」

『俺の胃袋と精神の平穏を守るためにも、まともな常識を持ったプロの防波堤が絶対に必要だ』


 本音はともかくとして、ヘンドリックの「大事な家族」という甘い言葉に、ヒロインたちはポゥッと頬を赤らめて完全に沈黙してしまった。


「というわけだから、シリル君。どこかにまともな執事やメイド長になってくれそうな人はいないかな? 今手伝ってくれてるサンネの実家の人たちから昇格してもらうのもありだけどね」

「ふむ……。実は、心当たりが一つあります。以前、ある没落した伯爵家で、極めて優秀なメイド長を務めていた者がおりまして……」


 シリルが眼鏡を光らせながら、新たな人材の存在を仄めかした。


 こうして、自称妻たちによる「ポンコツ家臣団」の結成は未然に防がれ、ヘンドリックの屋敷に『本職のメイド長』が迎え入れられることとなるのだった。

●【あとがき:ヒロインたちからのお願い】●


ヘンドリック「やっと……やっと完璧な計画が立てられた。これで俺のスローライフが……!」


エリーゼ「読者の皆様。旦那様がまた意味のない逃走計画を立てておりますわ。呆れた方も、これからも見守ってくださる方も……ぜひ、ページ一番下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援していただけないでしょうか?」


サンネ「おっしゃる通りだ。皆様の応援ポイントが増えれば増えるほど、我々が旦那様を包囲する力が強固になるのだ! ぜひとも下の【ブックマーク】と【評価】をお願いしたい!」


ミラ「ボスがまた逃げようとしてるんだゾ! ボスの美味しいご飯をずっと食べるために、一番下の【評価】から応援してほしいんだゾ!」


ヘンドリック「お前ら勝手に読者に頼むな! これ以上目立ってランキングなんかに乗っちまったら、俺のスローライフが完全に終わるだろ! 読者の皆さん、お願いだから評価なんかしないで……ああっ、フリじゃないから押さないでえええっ!」


――おっさんの悲痛な叫びはスルーして、ぜひページ下部より【ブックマーク】と【評価(☆を★にする)】で応援よろしくお願いいたします!

皆様の応援が、作者の執筆の原動力と、おっさんの胃痛を加速させます!

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