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レベル1を35個持ったおっさん、有能すぎて美女三人に包囲される〜レベル10大火力至上主義の世界で裏方が最強だった〜  作者: よっしぃ@書籍化


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第10話:便利屋おっさんの指南書・パーティー能力再編

 ヘンドリックの工房兼自宅のリビングでは、ブラムが熱心に羊皮紙へペンを走らせていた。

「よし、これで全員の現状が整理できたね。ブラム、しっかり書き留めておいてくれるか。自分の仲間の限界と【伸び代】を知ることは、深層で生き残るための最低条件だからね」

「はい、師匠! 完璧にまとめました!」

 ヘンドリックの指示のもと、再編されたパーティーメンバーの能力表が完成した。そこには、おっさんの指導による劇的な変化が記されていた。

【名前:ヘンドリック】

 年齢:35歳 / スキルポイント:35

 スキル構成:合計35個の【レベル1スキル】を所持。

(毎日、寝る前に全魔力を放出して【魔力タンク】を強制的に拡張し続けている。レベル1スキルの燃費の良さと、この底なしの魔力量が組み合わさることで、実質的な出力はレベル10を遥かに凌駕する)

【名前:サンネ】

 年齢:28歳 / スキルポイント:29(28+ボーナス1)

 加入前スキル(計25pt):【剣術Lv5】、【盾術Lv5】、【鉄壁Lv5】、【自己治癒Lv5】、【風魔法Lv5(派生:雷属性)】

 加入後・追加スキル(計4pt):【挑発Lv1】、【スタミナ補正Lv1】、【魔力消費軽減Lv1】、【魔力自動回復Lv1】

『ヘンドリックの解説:サンネ、これでようやく騎士ディフェンダーとして完成したね。君の風魔法は【雷】として特化しているから、魔力管理さえ覚えればその速さをより活かせるはずだよ。これからは魔法を出し惜しみしなくていいからね』

【名前:ミラ】

 年齢:26歳 / スキルポイント:27(26+ボーナス1)

 加入前スキル(計25pt):【格闘術Lv5】、【短剣術Lv5】、【身体強化Lv5】、【風魔法Lv5】、【獣化Lv5】

 加入後・追加スキル(計1pt):【魔力消費軽減Lv1】

 残りポイント:1pt(温存)

『ヘンドリックの解説:ミラちゃんは野生の勘で動くから、まずは基礎の【節約】だけを。残りの1ポイントは、君が次の戦いで何が必要かを感じるまで取っておこうか。次は【魔力自動回復】か【俊敏】を提案させてもらうつもりだよ』

【名前:エリーゼ】

 年齢:人間換算33歳 / スキルポイント:34(33+ボーナス1)

 加入前スキル(計30pt):【弓術Lv5】、【水魔法Lv5(派生:氷属性)】、【回復魔法Lv5】、【精霊魔法Lv5】、【結界術Lv5】、【魔力視Lv5】

 加入後・追加スキル(計3pt):【魔力操作Lv1】、【魔力消費軽減Lv1】、【魔力自動回復Lv1】

 残りポイント:1pt(温存)

『ヘンドリックの解説:エリーゼはこれで弱点が消えたね。君の水魔法は【氷】として美しく特化しているから、魔力操作と組み合わせればさらに変幻自在になるはずだ。残りの1ポイントは君の伸び代だ。……あ、ハグの時に俺の心音を探るのは勘弁してくれないか。……まあ、君だけは特別に【全放出】しなくても魔力が増える方法、今度こっそり教えてあげるよ』

【名前:ブラム】

 年齢:23歳 / スキルポイント:23

 加入前スキル(計20pt):【剣術Lv10】、【火魔法Lv10】

 加入後・追加スキル(計3pt):【魔力消費軽減Lv1】、【魔力自動回復Lv1】、【魔力探知Lv1】

『ヘンドリックの解説:23歳で【レベル10】を二つ取った代償に余裕がなかったね。カツカツの3ポイントを無駄なく補助に回せたことで、ようやく魔法剣士としてのスタートラインだ。これからもじっくりサポートさせてもらうよ』

【名前:ロッテ】

 年齢:21歳 / スキルポイント:22(21+ボーナス1)

 現在のスキル(計20pt):【短剣術Lv4】、【水魔法Lv4】、【浄化魔法Lv4】、【回避術Lv4】、【罠発見Lv4】

『ヘンドリックの評価:彼女の【レベル4を複数】という構成は、実は最も伸び代があるんだ。魔力管理を覚えれば、あのアホ共のパーティーを一人で支えられるレベルなんだけど……あいつら、その価値に気づいていないんだろうね』

 ヘンドリックは羊皮紙を片付けると、メンバーたちの顔を見渡した。

「ああ、そうそう。一つ補足しておくよ。スキルの名称は地域やギルドによって呼び方が違うことがあるから注意してくれ。【魔力消費軽減】を【魔力節約】と呼ぶ地域もあるし、【魔力自動回復】を単に【魔力回復】と略す冒険者も多い。どれも同じスキルだから、混乱しないようにな」

「そんな細かいことまで……師匠、本当に何でも知ってるんですね」

 ブラムが感心したように呟く。

「よし、これでうちのメンバーは全員、魔力タンクの拡張を日課にしてほしいんだ。寝る前には必ず魔法を全放出カラにしておいてくれるか。いいかな?」

「はいっ!!」

 弟子の元気な返事に混じり、エリーゼは静かに微笑んでヘンドリックの横顔をじっと見つめていた。

 彼女だけは、おっさんが教えようとしている『魔力をもっと効率的に増やす方法』が、もっと親密な関係を意味しているのではないかと期待に胸を膨らませていた。

 一方その頃。

 元パーティーに居るロッテは、一人黙々と魔力を使い切る訓練を自習していた。

 彼女もまた、ヘンドリックの教えを知らぬまま、その本質に近づきつつあった。

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