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飲み会帰りのキスの理由  作者: 柚原 澄香


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挨拶まわり

高木さんや橘さんとは

きっと二次会に行くから

せっかくだし…



甘いお酒を持って

挨拶まわりをすることに。


結構みんな楽しんでいるようで

会の準備をした私は

「よくやったー」と

心の中で自分を褒め称えていた。


さっきの営業さんにも声をかけてみる。


「お疲れさまです!」


「深山ちゃん!やっと来てくれたー」

「人気者すぎない?」


いやいやいや

なんて首をブンブン振ると

ちょっと頭がクラッとするのを感じる…

高木さんのペースに呑まれたかもしれない。


「ちょっと烏龍茶ください」


「深山ちゃん、珍しいじゃん。強いのに」


「あはは、中休みです!」


「俺の肩貸そうか?深山ちゃんなら大歓迎よ」


あぁ、このノリ。

なんか高木さんたちと違う。

ねっとりとした嫌な感じ。


「やだーもう!奥さまに怒られますよ!」


後腐れないように笑いつつ

バシーーーッと思いっきり肩を引っ叩く。


席を離れた瞬間、

笑顔がスッと真顔に戻ったのが

自分でわかった。


こういうノリは、楽しくない。

部署内で「深山ちゃんに叩かれちゃった」

みたいな話をするんだろうな。


橘さんの言うこと

聞いておけばよかった。

ふと高木さんと橘さんの方を見ると

やっぱり笑い転げてる様子。


このままあの2人の元へ戻るのは

少し気まずい。


会場のドアを開けると

部屋の中の笑い声が遠のいて

現実の世界になる。


そのまま外の風に当たりに行くと

夜風が私の頬を冷やしてくれた。

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