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翻弄される
「橘さんは、覚えてることと覚えてないことの差ってなんなんですか?」
「興味があるかないか、でしょ」
ボトルの2/3が空いた頃、
大分私はフワフワとしてきた。
「じゃあ、覚えてるのに忘れたふりすることもありますか?」
「何が言いたいの?」
「はっきり言いなよ。まわりくどい」
イライラしてきている様子の橘さんに
私も釣られて気持ちが高ぶってしまう。
「!だから!」
「うん、だから?」
でも、途中で気づく。
からかわれてることに⋯⋯
橘さんは、わかってる。
私がなんでこんなに外堀から固めてるのか。
私が何を聞きたいのか。
だから⋯⋯
彼は、覚えてる。
それで、面白がってる。
カァッと顔に熱が上がってくるのがわかる。
水滴のついたシャンパングラスを
両手でぎゅうっと握る。
「私に⋯」
「覚えてるよ、ちゃんと」
私の耳元で橘さんが囁いた。




