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隠れ家のなかへ
やけにオシャレじゃないか⋯
記載の地図に従って着いた店。
ひっそり佇む隠れ家のような雰囲気。
入り口の前に大きな木があって
余計に「知る人ぞ知る」感がある。
なんでこんなお店をセレクトしたんだ?
私がこういうお店を好きだと思ったんだろうか。
いや、嫌いじゃない。
むしろすごく好きなんだけど。
女性と言えばこういうお店と
慣れてる感じもするし、
私もそれに転がされてるようで、悔しい。
私より大分早く会社を出た橘さん。
もう着きますの連絡ぐらいしておくかと
鞄からスマホを出す。
そんな私の背後、上の方から
「お疲れさま!」
と声が落ちてきた。
全く存在に気づいていなかったから
ビクーッと身体が反応してしまう。
「あ⋯お疲れさまです」
「今、来たんですか?」
うん!と笑う橘さんからは
フワリとお酒の匂いがした。
「俺、腹減ったよ」
ドアを開けて、
早く入ろうと背中に手を回される。
ち⋯近い。




