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飲み会帰りのキスの理由  作者: 柚原 澄香


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月曜日の再会

私にしては珍しい柄物のスカート

栗色のふわふわパーマ


月曜日の低いテンションを上げるには

ちょうど良かった。


会社に着くまでの間

何回鏡を見ただろう。


通勤電車の中

エレベーターの中

会社のビルの前


メイクもおしゃれも好きだけど

急に雰囲気を変えたから

何か言われるかな?とドキドキする。



「おはようございます!」



オフィスのドアを開けながら

いつものように声を張る。

入社当初に先輩から

とにかく朝は声を張れ!と

教えられたのを律儀に守っている。



⋯⋯


って、あれ?


いつもなら

「おはようございます、深山さん」

と返ってくるはずが今日はない。


その代わりに

記憶に残る香りが

ふわりと鼻をくすぐっていった。


柑橘系とも石鹸系とも違う

この香り…


まさか⋯

いやでも、そんなわけない。



首を傾げながら

自分のデスクまで歩いていくと

いつもは開いている会議室のドアが

閉まっていることにも気づく。



何かがおかしい。


女子たちの様子もおかしい。

鏡を見ながらリップを塗り直していたり

いつもよりコロンの香りが強かったり。



「はぁ、もう朝から幸せなんだけど」

「あの顔見られるなんて」

「1オフィス1イケメン希望〜」



え?まさか。



「あ、深山さん、おはよう!」

「なんか今日雰囲気違うね!」

「髪切った?かわいい!似合うね!」

「え?ネイルも変えた?」



ワチャワチャと

内勤の女子たちに囲まれている私と

目が合ったのは⋯ 


絶対ここにいないはずの⋯



ーー橘さんだった。


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