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飲み会帰りのキスの理由  作者: 柚原 澄香


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溶け込むグラデーション

「え?何の話?俺も友達追加してよー」


「高木さんは、前からお友達です!!」



「あれ…そうだっけ?」

「あ、そうだよね!グループLINEしてるもんね」

「ほらほら!深山さん、いるいる!見て見て!」




「………」



類は友を呼ぶー

まさにこのことか…と思う。



グループLINEの画面を

グイグイ見せて来る高木さん。


ペースを落とさず飲み続けるから

常にテンションが高い。

距離が近くても憎めない可愛さ。

ぬいぐるみ?

マスコット?



高木さんはもちろんだけど

橘さんも実は深いことを気にしない…

ように見える。


私、考えすぎちゃったのかな……


ため息をごまかすように

身体ごと店の外に向けると

うっすら明るくなってきていた。


夏の夜明けは早い。


ビルの隙間から見える空は

淡いオレンジから紺色になるグラデーション。

そのグラデーションが私の心みたいだ。

じわじわと侵食されてくような。



一緒に飲めば飲むだけ

新しい一面を知る。

交わす言葉は多くないのに

どんどん溶け込んで浸透してくる。

すごく滑らかに。



さっき気づいてしまった橘さんの香り。

今隣にいるのは高木さんなのにーー



香りが

じわじわと溶け込んで

まだ知らない色が

私に沁みていくーーー


もうすぐ日が昇る空みたいに。


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