既読2の意味
その通知に気付いたのは
土曜日の昼間だった。
久しぶりにぐっすり寝て
布団のなかで手に取ったスマホ。
LINEの通知。
トクン…
呼吸が浅くなる。
ー
また、私ばっかり。
私ばっかり
心臓がうるさくなってるんだと思うと
すごく悔しくて
勢いよく通知をタップした。
「テストだよー」
高木さんからだった。
LINEグループの送信テストらしい。
写真も送られてきていた…
…けど、
「ふふっ、何これ」
空なのか
物なのか
人なのか
全く判別できないくらいブレている。
何故
これを送ろうと思ったのか。
むしろ送信取り消ししないのが
清々しいくらい。
それにしても、雑…
扱いが雑すぎる…
勢いよく覚悟を決めて
開いたはずのメッセージ。
すごく拍子抜けしてしまう。
気が抜けた私は
トントントンとメッセージを打つ。
「テスト受け取りました!」
「なんの写真?これ?笑」
シュポッと送られていく私の文章。
何も深く考えずに送っちゃったけど
ここ橘さんいるんだよね?
見るんだよね?
私の文章……
変なところはないはず。
なのに、急に緊張してくる。
土曜日だし
LINEの時間が0時を越えてるから
まだ寝てるだろう。
それにしても
この写真……なんだろう?
高木さんからのクイズとか?
スマホを離したり近づけたり
傾けたりしながら
写真を見てみるけど
一向にわからない……
こうもわからないと
絶対に解読したくなってしまう。
うーん、と今度は顔を傾けたとき
「おはよー。この写真、何?俺送った?」
「笑うスタンプ」
高木さんからメッセージが来た。
その時
目に入った自分が送ったメッセージ。
ーー既読2ーー
13:15
見てる。
橘さんも…読んでる。
すぐ見たんだ…
今、見てるんだ…
胸がぎゅうっとなるのがわかる。
周りの物音が消えて
私の胸の音だけがドクドクと
耳に響く感じがして…
家に私だけで良かった。
身体が熱い。
LINEグループのメンバーを表示する。
橘さん
今なら聞ける?あのこと?
そんな想いが頭をよぎって
お友達追加のボタンの上まで
指が誘われていく。
ゆっくり流れる時間。
固まる指。
スッと吸ったまま吐けない呼吸。




