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飲み会帰りのキスの理由  作者: 柚原 澄香


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LINEグループ

当日突然の誘いながら

10名くらいの参加者が集まる。

あんなに強制的に業務終了なら

これくらい集まるのかな。

高木さんの人柄を感じさせられる。


まだ17時台ということもあって

空は明るく昼間から飲んでるような

微妙な背徳感。


店主とも顔見知りなのか

「和田さん、いいかな?10人?くらい?」


「高木さん、相変わらず適当っすね」


…と、とりあえずビールが10杯…

くらい運ばれてきた。



「かんぱーい!はナシ!今週もおつかれー」



とっとと飲み始める高木さんは

幸せそうな顔で周りを見渡している。


高木さんのことを悪く言う人に

出会ったことがない。

雑なようで、実は細やかで

よく周りを見ているのかもしれない。


なんて言ったところで

「何言ってるかよくわかんなーい」

とか言いそうなキャラではあるけど。


私も高木さんが大好きだ。

同じようにビールジョッキ片手に

思いっきり喉に流し込む。


ビールが美味しく感じられるようになったのは

最近のこと。

大勢で飲むビールは特に美味しい。


何を話すでもなく

飲み会という雰囲気が

私の悶々とした心を癒してくれる。



ジョッキから視線を上げると

高木さんと目が合った。



まさか…



「深山さん、いい飲みっぷり!俺、負けちゃう」



もうおかわりしようとしている

高木さんに敵うわけないし、

そういう競うみたいな飲み方を

高木さん自身嫌うから

変な言い方だなぁと思っていたら

ソソソッと私の隣に移動してきた。



「ねぇねぇ、今日橘来なかったし、

また企画してもいい?」



ドキン…



ゴクリー

ビールの塊が一気に喉の奥に流れて行った。



「ぁ…、はい、もちろん、ぜひ!」



表情と口調の乱れを隠すように

OKの意味でガッツポーズをして見せる。



「良かったぁ~、じゃあさ!」



スマホを取り出して

画面を私に見せながらサクサクサクサクと

LINEグループを作っていく。



高木さん

私



…橘さん



「よし!ここで連絡するね」



奇しくもここで

橘さんのプライベートの連絡先を

手に入れることになるとは…



「…高木さん、

勝手に橘さん入れちゃいましたけど」



「あー、大丈夫!大勢のじゃないから」



確かに…

大人数で連絡先共有なんて

一番嫌がりそうだ。

許可なくLINEグループも嫌がりそうだけど

高木さんが言うなら大丈夫なのだろう。


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